李載完

李載完（り・さいかん、1856年1月22日 - 1922年8月11日）

李載完は、李氏朝鮮末期から大韓帝国期にかけて活躍した政治家であり、陸軍軍人としても注目される存在です。彼の生涯は、政治的な変遷と国の発展に深く関わっています。京畿道楊州郡にて李慎応の子として生まれ、後に興完君李晸応の養子となりました。

初期のキャリア

1875年、光緒元年に別試文科で丙科合格を果たし、以降、説書や検閲などの役職を通じて次第に昇進していきます。1880年には吏曹参判に昇進し、1884年の甲申政変では独立党内閣の兵曹判書として事実上の指導的立場に立ちました。その後、1885年には大司憲に就任するなど、順調にキャリアを重ねていきました。

政治的な昇進と役職

彼は弘文館提学、吏曹判書、弘文館学士など多くの重要な役職を歴任し、1899年には宮内府内大臣に就任します。同年9月には完順君の称号が与えられ、輔国崇禄大夫に昇進しました。これらの経験を通じて、彼は朝鮮の政治において重要な役割を果たすようになりました。

業績と銀行設立

光武7年（1903年）には合資会社公立漢城銀行を設立し、1912年までその銀行の長を務めました。この銀行の設立は、彼の商業分野への進出を示しており、経済発展にも寄与しました。また、1905年には正月報聘使として日本を訪問しました。

陸軍での活動

李載完は1907年に陸軍副将に任命され、承寧府の総管に就任しました。在任中には、韓国政府から多くの栄典が授与され、特に大勲位李花大綬章・瑞星大綬章・金尺大綬章などを受け取りました。さらに、日本政府からも勲一等旭日桐花大綬章が授与され、国際的な評価も得ていました。

日韓併合と評価

日韓併合条約が締結された後の1910年、李載完は朝鮮貴族として侯爵に列せられました。彼の政治的立場や行動は後の国民によって評価され、多くの人々からは親日派と見なされることもありました。2002年には親日派708人名簿に名前が挙がり、2005年に民族問題研究所が編集する親日人名辞書にも掲載される予定者として選定されています。

死後の評価

2007年には親日反民族行為真相糾明委員会が発表した「親日反民族行為195人名簿」にも名前が載り、その評価は今日でも議論の的となっています。彼が生きた時代背景や政治的な行動は、現在の韓国における歴史認識に影響を与えています。

栄誉

李載完は、1909年4月18日に皇太子渡韓記念章を受章しました。この賞は、彼の政治活動や国家への貢献を示す重要な記録となっています。彼の生涯は、韓国の近代史における多くの側面に関わり続けています。

もう一度検索