村上 (八千代市)

千葉県八千代市村上地区の詳細

千葉県八千代市東部に位置する村上地区は、新川流域に沿って発展してきた地域です。この記事では、村上地区とその分離町名である村上南地区について、地理、歴史、施設、交通など多角的に解説します。

地理

村上地区は、新川流域に位置し、昭和50年代に村上団地が建設されてから住宅地として発展しました。1996年の東葉高速鉄道東葉高速線開業以降は、商業施設やマンション建設が加速しました。南部の市街化が進む一方で、北部は現在も農地が広がっています。

特筆すべき点として、かつての下市場地区も村上の一部であったため、南部に飛地が存在します。また、印旛放水路の大和田排水機場を境に、新川と花見川というように名称が変わります。

1993年からは辺田前土地区画整理事業が行われ、2009年には村上駅周辺が村上南として分離されました。さらに、2011年には勝田台駅周辺の一部が勝田台北として分離され、村上地区と勝田台地区の市街地構成が明確化されました。

地価

2015年の公示地価によると、村上南4丁目5番3の地点では、1平方メートルあたり13万3000円となっています。

歴史

村上地区は、萱田と同様に古代からの遺跡が多数残る地域です。特に古代終末期には地域拠点として栄えました。萱田遺跡群の権現後遺跡から出土した墨書土器には「下総国印旛郡村神郷」と記されており、これが現在の村上地区を指すとされています。

原始・古代

1973年に村上遺跡が発掘され、その後、市内各地で多くの遺跡が発見されました。村上遺跡は、村上宮内遺跡、西山遺跡、村上込ノ内遺跡などを含みます。沖塚遺跡では、東葉高速線建設に伴う発掘調査で、弥生時代中期から古墳時代前期にかけての製鉄遺跡が発見され、全国的に注目されました。この遺跡では、高度な精錬技術が用いられていたことが明らかになっています。また、この地域では古墳時代後期・終末期に多くの古墳が作られ、特に根上神社古墳は市内最大の前方後円墳として知られています。

沖塚古墳は、墳丘径約25m、高さ約1.6mの円墳で、横穴式石室からは人骨や須恵器、武器などが出土しました。この他にも、村上一号墳や黒沢台古墳といった方墳も存在します。

9世紀には、村上周辺の集落が発展し、対岸の萱田まで広がりました。権現後遺跡から出土した墨書土器により、新川両岸の地域が下総国印旛郡村神郷であったことが判明しました。

村上込ノ内遺跡

1968年に村上団地建設が計画され、それに先立ち1973年から1974年にかけて大規模な発掘調査が行われました。出土した土器から、8世紀前半から9世紀後半にかけて約150年間、5段階の変遷をたどったとされています。竪穴建物や掘立柱建物は、一族のような集団が複数世代にわたって同じ場所に住み続けたものと考えられています。

中世

平安時代には臼井氏が支配し、臼井庄となりました。鎌倉時代には千葉氏が勢力を拡大しましたが、室[[町時代]]には千葉氏が分裂しました。この頃、北隣の米本には米本城が築かれ、村上氏が城主を務めました。村上綱清は有名ですが、市原市の上総村上に深い関係があるとされています。

この地域には中世遺跡として正覚院館跡があり、谷を利用した防御的な構造となっています。鎌倉時代と室[[町時代]]の二度にわたり隆盛期を迎えています。また、浅間内遺跡も中世の集落跡として知られていますが、正覚院館跡との関連性については未調査です。

近世

近世には、一部が幕府領、一部が佐倉藩の三浦氏の支配下となり、年貢は240石程度でした。村上村となり、家数106軒、人口452人でした。

近代

市制・町制施行後、村上村を含む周辺の村が合併し、印旛郡阿蘇村となりました。当時の人口は890人でした。

世帯数と人口

2017年10月31日現在の世帯数と人口は以下の通りです。

村上
村上南

小・中学校の学区

市立小・中学校に通う場合の学区は以下の通りです。

村上
村上南

主な施設

村上地区には、以下の施設があります。

東葉高速鉄道村上駅（村上南1丁目）
八千代市郷土博物館（村上）
村上団地（村上）
村上公民館
八千代市役所村上支所
八千代市多文化交流センター
八千代村上郵便局
宮内公会堂（村上）
辺田前公民館（村上南2丁目）
大和田排水機場（村上）
フルルガーデン八千代（村上南1丁目）
MEGAドン・キホーテ八千代16号バイパス店（村上）
ジョイフル本田八千代店（村上）
正覚院（村上）
子神神社（村上）
七百餘所神社（村上）
浅間神社（村上南2丁目）
根上神社（村上南1丁目）
八坂神社（村上）
子安神社（村上）
巌島神社（村上）
八千代山勝田寺別院（村上）
黒沢池市民の森（村上）
黒沢台第一公園・第二公園（村上）
八千代広域公園（村上）
村上中央公園（村上）
村上緑地公園（村上）
村上第一公園（村上）
村上神明公園・神明神社（村上）
八千代松陰中学校・高等学校（村上）
千葉英和高等学校（村上）
八千代東高等学校（村上）
八千代市立村上中学校（村上）
八千代市立村上東中学校（村上）
八千代市立村上小学校（村上）
八千代市立村上東小学校（村上）
八千代市立村上北小学校（村上）
村上北保育園（村上）
村上南保育園（村上）
村上ひかり幼稚園（村上）
はなしま幼稚園（村上）
明青幼稚園（村上）
第二勝田保育園（村上）
小久保製氷冷蔵（村上）
日本酒類販売（村上）
フジフーズ八千代工場（村上）
東洋モータースクール（村上）
東洋バス新山営業所・新山車庫（村上）

交通

村上地区の最寄駅は、東葉高速鉄道東葉高速線の村上駅と東葉勝田台駅、京成本線の勝田台駅です。村上団地の住民は、東葉高速線の運賃が高いことから、バスや自転車で勝田台駅を利用する傾向があります。そのため、栄町公園などに多くの駐輪場が整備されています。

勝田台駅を中心に、村上団地や米本団地などへの路線バスが東洋バスにより運行されています。また、八千代市内循環バス（ぐるっと号）も利用できます。国道16号・国道296号、八千代市中心部へのバイパス道路が通っています。

近隣地名

下市場（南西）
萱田町（南西）
萱田（西）
米本（北）
下高野（北西）
上高野（東）
勝田台北（南）
勝田台南（飛地南東）

脚注・出典

参考文献

「八千代市の歴史 通史編 上・下」2008年3月15日、八千代市編纂委員会
「日本古代地名事典」2001年12月30日、吉田茂樹

外部リンク

* 八千代市役所村上支所 - 八千代市

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