東京マルチメディア放送

東京マルチメディア放送株式会社について

東京マルチメディア放送株式会社は、かつて存在した移動受信用地上基幹放送事業者です。地上アナログテレビ放送停波後のVHF-Low帯（90-108MHz）を利用したマルチメディア放送「i-dio」の関東・甲信越広域圏における番組編成を担っていました。

i-dioと東京マルチメディア放送

i-dioは、全国6広域圏と北海道を放送対象地域とするマルチメディア放送サービスとして計画されました。その中で、東京マルチメディア放送は関東・甲信越広域圏の番組編成を担当する重要な役割を担っていました。主要株主はi-dioの統括会社であるBIC株式会社（後に株式会社ジャパンマルチメディア放送と改称）であり、マスメディア集中排除原則における支配関係にもありました。

2016年には、東京局、秦野局、東京西局が開局し、東京都と神奈川県の一部で放送を開始しました。

業績不振と放送終了

しかし、2019年にi-dioの業績不振が表面化します。これは、エフエム東京のTOKYO SMARTCASTに対する不正な株取引に端を発した粉飾決算が原因でした。この影響を受け、東京マルチメディア放送も特別損失を計上することとなりました。

エフエム東京はi-dioの事業継続を断念し、東京マルチメディア放送もその影響を受ける形で、2020年に放送を終了し、解散することとなりました。この一連の出来事の詳細は、エフエム東京の不正会計問題に関する記事を参照してください。

解散と清算

2020年3月31日に放送を終了し、同時に移動受信用地上基幹放送の業務認定も廃止されました。その後、株主総会で解散が決議され、2021年には東京地方裁判所が特別清算の開始を決定しました。負債額は約6億4千万円にのぼりましたが、特別清算は年内に終結しました。

事業収支

事業収支については、電子公告で確認できます。

沿革

2009年（平成21年）10月7日：東京マルチメディア放送株式会社設立。
2015年（平成27年）12月27日：移動受信用地上基幹放送の業務認定を取得。同日に基幹放送局提供事業者VIPが東京局の免許取得。
2016年（平成28年）2月22日：BIC（ジャパンマルチメディア放送の旧称）の支配関係下に。
2016年（平成28年）3月1日：東京局開局。
2016年（平成28年）7月8日：秦野局開局。
2016年（平成28年）10月10日：東京西局開局。
2019年（令和元年）12月25日：ジャパンマルチメディア放送および他の認定基幹放送事業者5社と共に2020年3月31日をもってi-dioを終了と発表。
2020年（令和2年）3月31日：正午に放送終了、移動受信用地上基幹放送の業務認定も廃止。東京局、秦野局、東京西局廃局。
2020年（令和2年）6月24日：株主総会で解散を決議。
2021年（令和3年）5月24日：特別清算開始の決定。
2021年（令和3年）10月28日：特別清算終結。
2021年（令和3年）11月29日：清算結了により登記閉鎖、法人格消滅。

脚注

詳細は、エフエム東京#不正会計問題を参照してください。

外部リンク

東京マルチメディア放送（i-dio） - ウェイバックマシン（2022年12月4日アーカイブ分）
東京マルチメディア放送（i-dio - 企業情報） - ウェイバックマシン（2020年2月28日アーカイブ分）

もう一度検索