基幹放送局提供事業者

基幹[[放送]]局提供事業者について

基幹[[放送]]局提供事業者とは、放送法で定められた、認定基幹[[放送]]事業者の基幹[[放送]]のために放送用設備を提供する事業者のことです。具体的には、電波法の規定に基づき基幹[[放送]]局の免許を受けた者が、自らの無線設備や電気通信設備を認定基幹[[放送]]事業者の放送業務に利用させる事業者を指します。

定義

放送法第2条第24号において、基幹[[放送]]局提供事業者は「電波法の規定により基幹[[放送]]局の免許を受けた者であつて、当該基幹[[放送]]局の無線設備及びその他の電気通信設備のうち総務省令で定めるものの総体を認定基幹[[放送]]事業者の基幹[[放送]]の業務の用に供するもの」と定義されています。この定義は、2011年6月30日に施行された放送法の全面改正の際に新たに設けられました。

概要

基幹[[放送]]局提供事業者は、従来の受託放送事業者に相当するもので、基幹[[放送]]局を保有しているものの、自らは放送事業者ではありません。しかし、放送法第5章第3節の規制を受けることになります。また、移動受信用地上基幹[[放送]]以外の地上波による基幹[[放送]]である地上基幹[[放送]]においても、認定基幹[[放送]]事業者からの委託を受けて業務を行うことができます。なお、自らが地上[[基幹[[放送]]局]]を保有して放送を行うには、地上[[基幹[[放送]]局]]の免許を取得し、特定地上基幹[[放送]]事業者となる必要があります。

基幹[[放送]]局提供事業者が保有する放送設備は、放送法施行規則第3条に詳細が規定されています。例えば、地上基幹[[放送]]の業務に供する場合には番組送出設備（中継回線設備を含む）の全部または一部、衛星基幹[[放送]]の業務に供する場合には地球局設備が該当します。これらの設備は、基幹[[放送]]局提供事業者が電波法の規定に基づいて受けた基幹[[放送]]局の免許に係る業務に用いられる電気通信設備に限られます。

基幹[[放送]]は社会への影響力が大きいメディアであるため、特定の少数の者に支配されることを防ぐため、マスメディア集中排除原則により出資が規制されています。さらに、外国人による支配を防ぐための外資規制も設けられています。

特定基地局の開設計画

電波法第27条の12では、特定基地局を「陸上に開設する移動しない無線局であつて、特定の事項を確保するために同一の者により相当数開設されることが必要なもの」と定義しています。特に、移動受信用地上基幹[[放送]]においては、その受信を確保するために特定基地局の開設が重要となります。このため、移動受信用地上基幹[[放送]]の基幹[[放送]]局提供事業者は、地上[[基幹[[放送]]局]]の開設にあたり、携帯電話事業者と同様に特定基地局の開設計画を策定し、実施する義務を負います。

沿革

基幹[[放送]]局提供事業者の制度は、放送法の改正とともに変化してきました。

2010年：移動受信用地上放送の受託放送事業者は、特定基地局の開設計画の策定が義務付けられました。株式会社マルチメディア[[放送]]による全国[[放送]]の特定基地局開設計画が認定されました。
2011年：株式会社ジャパン・モバイルキャスティング（Jモバ）が株式会社マルチメディア[[放送]]から特定基地局開設計画を承継しました。放送法改正により、従来の特別衛星放送や移動受信用地上放送の受託放送事業者が基幹[[放送]]局提供事業者とみなされました。また、特別衛星放送の受託放送事業者は、電気通信事業法の適用が除外されました。この時点での主な事業者は以下の通りです。
特別衛星放送→衛星基幹[[放送]]（スカパーJSAT、放送衛星システム）
移動受信用地上放送→移動受信用地上基幹[[放送]]（Jモバ）
また、株式会社茨城放送の関連会社である株式会社IBSが茨城放送の中波[[放送]]の地上[[基幹[[放送]]局]]の免許人の地位を承継し、IBSが基幹[[放送]]局提供事業者、茨城放送が認定基幹[[放送]]事業者となりました。これは地上基幹[[放送]]における初の事例です。
2012年：Jモバが東京スカイツリーなど12局でマルチメディア[[放送]]を開始しました（愛称：NOTTV）。
2014年：株式会社VIPによる広域圏と北海道の特定基地局開設計画が認定されました。Jモバがテレビジョン放送を実施するための特定基地局開設計画変更が認定されました。
2015年：Jモバが全国一斉にテレビジョン放送を開始しました（愛称：NOTTVパック）。
2016年：VIPが関東・甲信越、近畿、九州・沖縄広域圏でマルチメディア[[放送]]を開始しました（愛称：i-dio）。また、地方公共団体向けに災害情報伝達システムV-ALERTの普及も図られました。IBSが茨城放送に吸収合併され、地上基幹[[放送]]から基幹[[放送]]局提供事業者が一旦消滅しました。Jモバが事業を終了しました。
2018年：VIPが東北、中国・四国広域圏でマルチメディア[[放送]]を開始しました。
2019年：VIPが北海道でマルチメディア[[放送]]を開始しました。
2020年：VIPがi-dio業務を終了し、V-ALERT業務のみ継続しました。
2021年：VIPが静岡局を廃止し、焼津市のV-ALERT業務を終了しました。
2022年：加古川局と喜多方局を廃止し、V-ALERT業務を終了。移動受信用地上基幹[[放送]]から基幹[[放送]]局提供事業者が消滅しました。




このように、基幹[[放送]]局提供事業者は、放送業界の発展とともにその役割と形態を変えてきました。技術革新や社会ニーズの変化に合わせて、今後もそのあり方が見直される可能性があります。

関連事項

認定基幹[[放送]]事業者
* 受託放送事業者

外部リンク

関連情報については、以下のリンク先をご参照ください。

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