東京都立田園調布高等学校

東京都立田園調布高等学校、通称「田高（でんこう）」は、東京都大田区田園調布南に位置する都立高等学校です。長らく私服校でしたが、2008年度に推奨服が導入され、私服通学も可能です。緑豊かな文教地区にあり、近隣には小中学校も所在しています。

学校改革と教育方針

田園調布高校は「進学校復活」を掲げ、教育改革に取り組んでいます。2008年度からは学力上位層を対象としたアドバンストクラス（特進クラス）を設け、国公立大学や難関私立大学受験に対応したカリキュラムを提供しています。具体的には、大学入試問題演習を行う「マルチ演習」授業や、春と夏に実施される勉強合宿などが特徴です。

また、推奨服の導入や普通教室への冷房設置、合唱祭の新設など、教育環境の整備にも力を入れています。授業改善のための「学力向上プロジェクト」も進行中で、早朝や放課後、長期休業中には補講が実施され、学力向上をサポートしています。進路指導では、三者面談や進路相談が充実しており、読書活動推進のためビブリオバトルも実施しています。さらに、漢検やGTECの受験も推奨しています。

進路指導と高大連携

2001年からは「田高進路プロジェクト」がスタートし、生徒の進路実現に向けた指導・支援を積極的に行っています。このプロジェクトは、入学直後の1年生から「学ぶ意味」を考えさせ、将来の職業選択や上級学校への進学を意識させる総合的な進路指導プログラムです。また、明治学院大学や東京都市大学との高大連携も実施しており、単位互換制度を通じて、大学進学へのスムーズな接続を目指しています。

歴史と変遷

学校群制度時代には、小山台高校と同群で、東京大学や早慶大学に多くの合格者を輩出していました。近年では、進学校としての復活を目指した改革が実を結び、入試倍率も上昇傾向にあります。2010年には東京大学合格者も輩出しました。入試においては、都の共通問題が全科目で使用され、2006年からは分割後期募集も実施しています。

部活動と学校生活

部活動も活発で、過去には野球部が東京大会でベスト8に進出した実績があります。多摩川河川敷にはサッカー部や野球部が利用するグラウンドがあります。男女バスケットボール部、吹奏楽部、ダンス部なども積極的に活動しており、生徒たちは充実した学校生活を送っています。

沿革

• - 1950年: 「東京都立大田高等学校」として開校
• - 1953年: 「東京都立田園調布高等学校」に改称
• - 1967年: 学校群制度導入、小山台高校と14群を組む
• - 1982年: グループ合同選抜制度導入
• - 1989年: 現校舎に改築
• - 1994年: 単独選抜へ移行
• - 2001年: 田高進路プロジェクト開始
• - 2008年: アドバンストクラス設置、推奨服導入
• - 2014年: 新入生向けスタディキャンプ開始
• - 2016年: 東京都中部学校経営支援センターから「学力向上推進校」に指定
• - 2018年: 東京都教育委員会から「進学指導研究校」「パワーアップハイスクール」に指定
• - 2020年: 東京都教育委員会から「進学指導研究校アソシエイト」「理数研究校」に指定

校歌

木俣修作詞、平井康三郎作曲

交通アクセス

• - 東急多摩川線 沼部駅から徒歩5分
• - 東急池上線 御嶽山駅から徒歩9分
• - 東急東横線・目黒線・多摩川線 多摩川駅から徒歩15分

学園祭

「ぽろにあ祭」と呼ばれ、毎年9月下旬の土日に開催。名称は、校章の桐の学名「Paulownia」と芸術都市ボローニャに由来します。

著名な卒業生

多くの著名人を輩出しています。

永瀬和彦（金沢工業大学教授、鉄道工学者）
内館牧子（脚本家）
吉村達也（作家）
植田まさし（漫画家）
大槻隆行（NHKアナウンサー）
和田源二（NHKアナウンサー）
植島啓司（元関西大学教授、宗教人類学者）
沼上幹（経営学者、一橋大学名誉教授・元副学長、早稲田大学教授）
影山和郎（東京大学大学院工学系研究科教授）
笠松厚雄（キヤノン「EOS kissデジタルN」開発者）
新井秀樹（陸上競技800m東京高校記録 前保持者）
横江信義（元通産研究所次長兼官房審議官）
中川梨絵（女優）
田島照久（早稲田大学文化構想学部教授）
藤森義明（LIXIL代表取締役社長 兼 CEO）
蒲原弘幸（高校野球監督）
チャーリー西村 (サイエンスエンターテイナー)
片岡護（料理人）
吉成圭子（歌手）

関連情報

東京都高等学校一覧
東京都立蒲田高等学校（同じ大田区内の都立高校）

外部リンク

東京都立田園調布高等学校
* 月日会－東京都立田園調布高等学校同窓会－

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