東北六魂祭

東北六魂祭とは

東北六魂祭は、東日本大震災からの復興を祈念し、東北6県の県庁所在地を代表する夏祭りを一堂に集めて開催された祭りです。2011年から2016年まで、各県庁所在地で持ち回りで開催されました。2017年からは「東北絆まつり」として新たな形で引き継がれています。

概要

この祭りは、電通が東北6市の商工会議所と企画したもので、各県の代表的な夏祭りを集めて観光客誘致を目指す大型イベントでした。実質的な運営は電通パブリックリレーションズが担当しました。

祭りの題字は、宮城県栗原市出身で、岩手県大槌町で育ち、盛岡市在住の当時中学1年生の書道家が揮毫しました。この題字ロゴと「東北六魂祭」という名称は電通が商標登録しており、使用には電通の許諾が必要です。電通社内では、多数のスポンサー企業からの協賛を得るため、また、普段交流のない祭り団体や商工会議所の連携を円滑にするため、部署横断のチームが組織されました。

2011年の東日本大震災発生後、全国的に祭りやイベントの自粛ムードが広がる中、同年7月に宮城県仙台市で第1回が開催されました。その後、2012年に岩手県盛岡市、2013年に福島県福島市、2014年には山形県山形市と開催地を移し、2015年には秋田県秋田市、2016年には青森県青森市で開催されました。

各開催地では、開祭式で震災犠牲者への黙祷が捧げられ、閉祭式では鎮魂のための合唱が行われました。

メインイベント：6大祭りパレード

祭りのメインイベントは「6大祭りパレード」です。各県の代表的な祭りが一堂に会し、華やかなパレードを繰り広げます。ただし、仙台七夕まつりは、七夕飾りが会場を彩り、パレードにはすずめ踊りが参加しました。また、秋田竿燈まつりは、パレード会場の一箇所に留まって妙技を披露しました。開催県の祭りもパレードに参加することもありました。

パレードの模様は、地元テレビ局やライブストリーミングで中継され、多くの人々がその様子を観覧しました。

各回の概要

第1回：宮城県仙台市

• - 開催日: 2011年7月16日、17日
• - 会場: 仙台市役所本庁舎前庭、勾当台公園市民広場、勾当台公園野外音楽堂、勾当台公園いこいのゾーン

第1回は、震災からの復興が十分に進んでいなかったため、ステージでは仙台にゆかりのあるアーティストが出演しました。当初、来場者は2日間で10万人を見込んでいましたが、予想を大幅に上回る36万人が来場し、会場周辺は大混雑となりました。その結果、25人が熱中症で救急搬送される事態となりました。

定禅寺通りで行われたパレードも、観客が車道にあふれ出し、予定通りに進行できず、一部の祭りが中止される事態となりました。仙台市は後にこの混乱を謝罪しました。この第1回の仙台市への経済効果は103億円と算出されました。

第2回：岩手県盛岡市

• - 開催日: 2012年5月26日、27日
• - 会場: 盛岡城跡公園多目的広場、盛岡城跡公園芝生広場、中津川河川敷、岩手県庁前広場、岩手公園亀ケ池

盛岡市では、盛岡城跡公園などを会場に、東北の伝統芸能が披露されました。会場には東北物産展や協賛企業の販売ブースも設けられ、多くの人が訪れました。事前の来場者見込みは2日間で20万人でしたが、実際には24万3千人が来場しました。第2回の盛岡市への経済効果は22億円と算出されています。

第3回：福島県福島市

• - 開催日: 2013年6月1日、2日
• - 会場: 旧福島市役所跡地、福島市役所駐車場、新浜公園、福島競馬場観覧スタンド、福島大学附属小学校校庭、福島市立福島第二小学校校庭

福島市では、市内中心部の複数箇所に会場を分散して開催されました。パレード会場の入場規制により観覧できない観客のために、大型映像装置でパレードの様子を中継しました。また、航空自衛隊のブルーインパルスが曲技飛行を披露しました。

第4回：山形県山形市

• - 開催日: 2014年5月24日、25日
• - 会場: 県民ふれあい広場、山形市役所、霞城公園、市営野球場、文翔館、ほっとなる通り

山形市では、2日間で計26万人が来場しました。ブルーインパルスによる曲技飛行や、市営野球場でのGLAYなどによる招待制無料ライブが開催され、大きな盛り上がりを見せました。

第5回：秋田県秋田市

• - 開催日: 2015年5月30日、31日
• - 会場: 山王大通り、アゴラ広場

秋田市では、秋田駅前のアゴラ広場を中心に開催されました。

第6回：青森県青森市

• - 開催日: 2016年6月25日、26日
• - 会場: 青い海公園、青森駅前公園、ワ・ラッセ西の広場、八甲田丸周辺、新町通り、リンクステーションホール青森

青森市では、2日間で計17万人が来場しました。強風のため、一部の催しが縮小または中止されました。

沿革

2010年、東北新幹線が新青森駅まで延伸し、東北6県が新幹線で繋がりました。その直前、6県の商工会議所が「東北夏祭りネットワーク」を結成し、観光客誘致のための共同事業を開始しました。

2011年3月11日、東日本大震災が発生。甚大な被害を受け、日本全体に自粛ムードが広がりました。しかし、被災地支援のため、地域経済の活性化が不可欠であるとの考えから、各地で祭りの開催が模索されました。

仙台市では、震災により祭りの中止が相次いでいましたが、青森市長が仙台市長に合同開催を提案。これをきっかけに、東北6県の夏祭りを集めた「東北六魂祭」の開催へとつながりました。

2011年5月31日、東北6県の市長が、7月16日・17日に仙台市で「東北六魂祭」を開催することを発表しました。

祭りは、仙台市での第1回開催後、山形市と福島市が輪番で開催を提案し、第2回は盛岡市、第3回は福島市で開催されました。第4回以降は、山形市、秋田市、青森市の順に開催される予定となりました。

福島市での第3回開催前には、運営側から祭りの終了も示唆されましたが、最終的には山形市での第4回開催が決定しました。

2016年の青森市開催をもって、東北6県を巡回する形での「東北六魂祭」は終了し、2017年からは「東北絆まつり」として後継イベントが開催されることになりました。

関連年表

(詳細な年表は省略)

組織

主催:

協賛:

特別協力: 東日本旅客鉄道（JR東日本）、東日本高速道路（NEXCO東日本）

協力: ベネフィット・ワン

後援:

脚注

(注釈、出典、参考文献は省略)

関連項目

• - 東北三大祭り
• - 東北観光博

外部リンク

• - 東北六魂祭 公式サイト
• - 東北六魂祭 YouTubeチャンネル
• - 東北のまつり
• - 東北観光推進機構
• - 東北絆まつり（東北六魂祭の後継）

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