東北里

東北里（トンブンニ）について

東北里は、朝鮮民主主義人民共和国の平安南道大同郡龍岳面に位置していた地域です。1952年の郡面里統合により、順安郡西里及び下次里に分かれました。現在、東北里は平壌直轄市の龍城区域にあたる於隠洞の一帯として知られています。地域的には、平羅線と龍城線の2つの鉄道路線が通る東北里駅があり、南西約4キロメートルの地点には金正日政治軍事大学が存在しています。

この地域には、当時の重要な歴史的背景があり、多数の事件の舞台となりました。1980年、北朝鮮の工作員として活動していた金賢姫と金淑姫が生活していた招待所がこの地にあり、特に注目されています。加えて、1981年から1983年にかけて、金賢姫は日本人拉致被害者の田口八重子（朝鮮名、李恩恵）から日本語教育を受けていました。この教育は、彼女の工作活動において重要な役割を果たしました。

また、1978年に北朝鮮の工作員によって拉致された著名な韓国の女優、崔銀姫が東北里に滞在した経緯もあります。崔銀姫は、1979年から1980年、そして1982年の初めの数ヶ月にわたってこの招待所で過ごしました。この時期、彼女はヨルダンから拉致された女性や、ポルトガルのマカオ地区から誘拐された中国人女性孔令譻とも接触しました。崔は孔令譻とかなり親しい関係を築いていたことが記録されています。

さらに、2004年には脱北者が持ち帰った写真によって、1976年に失踪したとされる日本人の藤田進が東北里に生存していた可能性が高いことが示されました。この情報は、藤田が生存しているとされた場所の特定に寄与しており、日本の拉致問題に新たな光を当てています。

地域内には、金日成の銅像が建立されており、その近くには人民保安署（警察署）や南朝鮮革命史跡館も存在します。これらの施設は北朝鮮の政治的な歴史を反映しており、観光地としても訪れる価値があります。

参考文献

この地域に関するさらなる詳細や歴史に興味がある方は、次の書籍を参考にすることをお勧めします。

• - 荒木和博著『拉致 異常な国家の本質』勉誠出版
• - 安明進著『新証言・拉致』廣済堂出版
• - 金賢姫著、池田菊敏訳『金賢姫全告白 いま、女として（上・下）』文藝春秋
• - 崔銀姫・申相玉著『闇からの谺 - 北朝鮮の内幕（上・下）』文藝春秋

これらの書籍を通じて、東北里の歴史的背景や拉致事件に関する詳細を深く知ることができます。

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