東和男

東和男 九段

1955年8月17日生まれ、長崎県佐世保市出身の将棋棋士、東和男氏。棋士番号は128。高島一岐代九段門下で、2011年から2017年まで日本将棋連盟理事を務めた、将棋界に多大な貢献を果たした人物です。

棋歴

プロ入り後、順調に昇級を重ねていきます。1979年度の順位戦C級2組では8勝2敗の好成績で3位となり、C級1組に昇級。その後も1983年度にはC級1組で9勝1敗の成績で1位となり、B級2組へ昇級しました。

1986年度には王位戦リーグ入りを果たし、挑戦者にはなれませんでしたが、強豪棋士を相手に好成績を残し、2期連続でリーグ残留という快挙を達成しました。対戦相手には、大内延介八段、二上達也九段、大山康晴十五世名人と森雞二九段といったそうそうたるメンバーが名を連ねています。

1988年度の第1期竜王戦では、順位戦での好成績により2組からスタート。準優勝という結果を残し、1組への昇級と共に竜王戦本戦への進出を果たしました。本戦では、当時王将を2連覇していた中村修九段から1勝を挙げるなど、7位という好成績で初代竜王戦を終えています。

1993年度には棋聖戦リーグを突破し、本戦トーナメントに進出するなど、タイトル戦への挑戦も視野に入る活躍を見せていました。しかし、順位戦ではその後、降級を経験するなど、苦しい時期もありました。2000年にはC級1組、2003年にはC級2組に降級。2005年と2006年は連続で降級点を喫し、2007年には1勝6敗と降級危機に瀕しましたが、粘り強い戦いを見せ、残りの3局を全勝で切り抜け降級を免れました。しかし、この年を最後にフリークラスへ転出しました。

フリークラス最終年となった2020年度は、第71期王将戦予選で谷川浩司九段と35年ぶりの公式戦対局を行い、勝利をおさめました。そして、2021年3月末にフリークラス在籍期限を満了。同年5月17日、古賀悠聖五段との対局を最後に現役を引退しました。

棋風

東氏は純粋な居飛車党として知られています。相居飛車では相矢倉を得意とし、盤面全体を使った力強い将棋を展開しました。振り飛車に対しては、自玉を堅く囲わず、積極的に急戦を挑むスタイルです。2002年頃からは、相居飛車では後手番一手損角換わり、振り飛車相手には相穴熊を採用するなど、戦法の幅を広げていきました。

人物像

2011年には日本将棋連盟理事に当選し、常務理事として関西本部を担当しました。2016年の将棋ソフト不正使用疑惑をめぐる混乱時には、理事として責任を問われましたが、解任案は否決され、その後は青野照市氏の後任として専務理事を務めました。2017年、理事を退任しています。

タイトル保持者との対戦機会は多くありませんでしたが、羽生善治九段とは1991年度の順位戦B級2組で対戦し、勝利をおさめるなど、実力者としての一面も垣間見せています。

昇段履歴

1971年：奨励会入会（6級）
1974年：初段
1976年7月16日：四段（プロ入り）
1980年4月1日：五段
1984年4月1日：六段
1992年12月18日：七段
2015年4月1日：八段
2021年5月17日：引退

主な成績

通算成績：1160局 479勝681敗

出典

日本将棋連盟公式サイト

関連項目

将棋棋士一覧

外部リンク

東和男｜棋士データベース｜日本将棋連盟

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