東急7200系電車

東急7200系電車

東急7200系電車は1967年3月27日に東京急行電鉄（東急）によって営業運転を開始した通勤形電車であり、1972年までに53両が導入されました。この形式は、1962年から導入された7000系を基にしたモデルチェンジの一環として設計され、需要の高い東横線、田園都市線、目蒲線、池上線での効率的な運用を目指しています。

概要

7000系は優れた性能を持つ全電動車方式を採用していましたが、すべての路線で同様の性能が求められていたわけではありません。そのため、7200系はMT比（動力車と付随車の構成比）を1:1とし、経済的な運用が可能なように設計されました。特に、東横線や他の路線でも求められる性能に見合った仕様が考慮されています。

車両概要

7200系は7000系と同じくオールステンレス車体を採用（2両のみアルミ合金製）し、側面には3か所の客用ドアが設けられています。ユニークな正面デザインはダイヤモンドカットと呼ばれています。連結部は広幅貫通路で、編成間の連結が容易であるという利点を持っています。車内はベージュ色の化粧板で装飾され、座席はえんじ色で、床敷にもロンリウム材が使用されています。

構造と性能

車両番号の下2桁が50番台のものは東洋電機製造製の制御装置を搭載し、それ以外は日立製作所で製造された制御装置を搭載しています。制御方式は抵抗制御で、電動カム軸式のMMC-HTR-10B形（日立）や東洋車のACRF-H4110-764A形などが使用されています。

また、主電動機は出力110kWの複巻電動機が採用され、起動加速度は編成のMT比によって異なります。7200系は主に田園都市線、目蒲線、池上線で運用されるため、車幅を地方鉄道車両定規に収めるなど、適応力の高い設計が施されています。

車両形式と製造

当初はデハ7200形（制御電動車）、デハ7300形（中間電動車）、サハ7400形（付随車）、クハ7500形（制御車）の4形式が計画され、結果的に53両が製造されました。中でもデハ7200形は22両、デハ7300形と7400形は合計で7両、クハ7500形は22両など、オールステンレス車とアルミ車が製造された経緯があります。出荷後、冷房装置やその他の改造も行われ、目蒲線や池上線にも配備されました。

運用とその後の変遷

7200系は1967年から1972年にかけて、田園都市線と目蒲線で運用され、冷房車としても活躍しました。1980年代には東横線への転属や、他の車両との編成変更が行われました。最終的には、乗客の増加に伴い多くの車両が他社に譲渡されました。

他社への譲渡

7200系の多くの車両は、他の鉄道事業者に譲渡され、現在でもいくつかの形式が運用されています。豊橋鉄道や上田交通、十和田観光電鉄などでの運用が確認されており、往時の姿を残しつつ新たな役割を果たしています。

このように、東急7200系電車は単なる通勤電車にとどまらず、様々な改造と運用を経て鉄道界に貢献してきた事例と言えます。その先進的なデザインと使用される技術は、今でも多くの鉄道ファンに愛されています。

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