東方不敗マスター・アジア

東方不敗マスター・アジアは、アニメ『機動武闘伝Gガンダム』に登場する重要なキャラクターです。本名はシュウジ・クロス。声優は秋元羊介氏が務めました。

人物

生年月日: F.C10年2月22日
年齢: 49歳
身長: 193cm
体重: 80kg
血液型: AB型
星座: 魚座
特技: 流派東方不敗、四川料理、詩歌

マスター・アジアは、主人公ドモン・カッシュの師であり、物語の中盤からは最大のライバルとして登場します。地球出身（ネオホンコン）で、武道の達人として知られています。自ら編み出した流派東方不敗は、モビルスーツをも素手で破壊するほどの威力を誇ります。かつてはシャッフル同盟の一員として「キング・オブ・ハート」の称号を持っていましたが、後にそれをドモンに譲りました。

第12回ガンダムファイトでは、ネオホンコン代表として出場し、優勝を遂げました。これは、当時の銃火器重視の風潮に反発し、格闘戦の正当性を証明するためでした。しかし、第13回大会では、前回の優勝者として引き続き出場することになります。

「東方不敗」は彼の異名であり、正式名称はマスター・アジアです。番組テロップもマスター・アジア名義で表記されています。東方不敗は企画時の仮名称がそのまま本編で使用されたものです。ただし、ゲーム作品などでは、東方不敗が通称として用いられることもあります。この名前は、武侠小説『秘曲笑傲江湖』の登場人物に由来し、初登場時には映画『スウォーズマン／女神伝説の章』の東方不敗を模倣した演出が用いられました。

マスター・アジアの若い頃を描いた漫画『機動武闘外伝ガンダムファイト7th』では、本名シュウジ・クロスとして、ネオジャパン所属の日本人としてガンダムファイトに出場しています。この物語では、Dr.カオスの陰謀を阻止するために戦う姿が描かれています。しかし、ウォルフ・ハインリッヒの駆るカイザーガンダムに敗北し、決勝戦を放棄したことでネオジャパンを追放され、ネオホンコンにたどり着いたとされています。

師弟関係

ドモン・カッシュにとって、マスター・アジアは幼い頃から拳法を教えた師匠であり、実の親のような存在でした。ドモンが8歳の時に家出して武器密輸船に潜り込んだ際、偶然そこに潜入していたマスター・アジアに助けられ、その強さに憧れて弟子入りしました。マスター・アジアはドモンに格闘家としての技術だけでなく、精神的な心構えも教えました。

思想

第12回大会で優勝したマスター・アジアは、ガンダムファイトの裏で荒廃していく地球の姿を目の当たりにし、その弊害を実感すると共に、環境破壊の一端を担ってしまったことに絶望しました。かつてのシャッフル同盟の仲間たちと袂を分かち、デビルガンダムが導き出した「地球環境汚染の原因である人類の抹殺」という結論に賛同します。人類の虐殺と地球環境の浄化を至上命題とし、デビルガンダムの破壊を目的とするドモンと敵対することになります。

自身の肉体が病に侵されていたため、デビルガンダムの生体ユニットとしては不適格であり、傷ついたキョウジの代わりに、最高のガンダムファイターであるドモンをそのユニットにしようと目論んでいました。

劇中での活躍

初登場は第12話で、生身でデスアーミー軍団を薙ぎ倒して登場しました。当初はデビルガンダムを追う協力者を装っていましたが、裏ではチボデーらにDG細胞を植え付け、ドモンがデビルガンダムに近づくと本性を現します。デビルガンダムに付くようにドモンを誘いますが、拒否されたことで完全に対立します。

その後も流派東方不敗を駆使してドモンたちの前に幾度も立ちはだかります。ギアナ高地での戦いでは、明鏡止水の境地に達したドモンにデビルガンダムを中破させられ、自身も大きな痛手を負って退却します。しかし、野望を捨て切れず、ネオホンコン元首のウォン・ユンファと組みデビルガンダムの再生を進めます。

第13回決勝大会開会式では、優勝した暁には「東西南北中央不敗スーパー・アジア」に改名すると宣言。決勝のバトルロイヤルでは、弟子のドモンとの壮絶な撃ち合いの末、石破天驚ゴッドフィンガーによって敗北します。最期は成長した弟子の姿に安堵の笑みを浮かべ、「本物のキング・オブ・ハート」としてドモンを認めます。

ドモンに抱かれながら、人間もまた自然の一部であるというドモンの答えを受け入れ、和解。後を若者たちに託し、息を引き取りました。その後も、苦悩するドモンの前に幻影として現れ、叱咤激励をしています。

漫画版

ボンボンKC版では、道着型のファイティングスーツを着用しています。ネオホンコンの廃墟でドモンと共にガンダムヘッドに襲われた際には、生身で石破天驚拳を放って撃破。ドモンとの最後の戦いを終えた後、新宿で再会し、流派東方不敗の掛け合いを行った直後に息を引き取りました。

主な搭乗機

GF7-013NJ ヤマトガンダム
シャッフル・ハート
GF12-035NH (GF13-001NH) クーロンガンダム
GF13-001NHII マスターガンダム

テーマソング

男道、獣道／マスターアジアの恨み節
ステ犬のブルース

その他

秋元羊介氏は、マスター・アジア役を「ストレスの残らない、役者冥利に尽きるいい役」と評しています。また、マスターの最期については「彼なりによくやったと思う」と語っています。

CDドラマでは、ドモンたちを映画館に招待するも、マナーの悪さや環境の悪さに辟易し、コミカルな面を見せる場面もありました。

ギアナ高地で敗れたマスターガンダムが、なぜ決勝大会に先に到着しているのかという疑問については、レーザーディスクのインタビューで、ギアナにいたのは遠隔操作されていたコピー体であることが明かされています。

ゲーム『ガンダム無双』では、ドモンと共にゲスト出演し、ヒイロ・ユイと行動を共にしたり、ティターンズと共闘したりしています。また、ヒイロに石破天驚拳を伝授するために勝負を挑む展開もあります。

『スーパーロボット大戦シリーズ』では、敵として登場することが多いですが、条件を満たせば仲間に加わることもあります。パイロットとユニット性能は非常に強力です。また、死後にDG細胞を植え付けられて復活したり、異星人というオリジナル設定で登場したこともあります。

流派東方不敗

流派東方不敗は、マスター・アジアが創始した拳法の流派です。漫画版では「天と地の霊気を父母とし、天地自然の大いなる力を受けて生まれた拳法」と解説されています。小説版では、釈尊を護るために弟子たちが編み出したインド拳法が源流とされています。感情に任せた破壊を禁じ、精神の力で肉体の限界を超越することを基本としています。

格闘術の他に、兵法や武器の作成法などの戦に役立つ技術も伝えています。その歴史は謎に包まれており、マスター・アジアを「中興の祖」と称する場合もあります。流派東方不敗を体得しているのは、マスター・アジア、ドモン・カッシュ、ユウゴ・カガミです。また、ギャグ漫画では、愛馬の風雲再起も会得しているとされています。

流派東方不敗の者同士が出会った際には、「流派東方不敗は王者の風よ全新系裂天破侠乱見よ! 東方は赤く燃えている!!」という漢詩を訓読し、互いの拳を合わせます。

主な技

王家・索命陰霊拳
超級覇王電影弾
超級覇王聴演舞
劔覇千王気炎弾
掌法（フィンガー系）
光輝唸掌
シャイニングフィンガー
灼熱サンシャインフィンガー
ハートフルフィンガー
クーロンフィンガー
ダークネスフィンガー
ダークネスフィンガーショット
ダークネスショット
ディスタントクラッシャー
刀類を使用する技
シャイニングフィンガーソード
ゴッドスラッシュタイフーン
布類を使用する技
ハートクロス
クーロンクロス
マスタークロス
アンダーマスタークロス
電撃布（エレクトリッククロス）
回転布
脚技系
背転脚
ニアクラッシャー
主な奥義
十二王方牌大車併
十二王方牌
超級覇王日輪弾
超級覇王電影弾
酔舞・再現江湖デッドリーウェイブ
ゴッドウェイブ
石破天驚拳
石破天驚ゴッドフィンガー
石破ラブラブ天驚拳
その他の技
究極石破天驚拳 / 石破究極天驚拳
ダブルダークネスフィンガー（爆熱究極拳）
シャッフル同盟拳
風雲烈火
流派東方不敗の兵法
東方不敗・八卦の陣
流派東方不敗の作成武器
聖なる爆弾

評価

『愛と戦いのロボット完全保存版』のアンケートでは、「一番カッコイイヒーローは？」「一番極悪な悪役・敵役は？」「一番美しい悪役・敵役は？」でそれぞれ上位にランクインしました。

脚注

* ガンダムシリーズの登場人物一覧

東方不敗マスター・アジアは、その圧倒的な強さとカリスマ性で、多くのファンを魅了し続ける、不朽のキャラクターです。

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