デビルガンダム

『機動武闘伝Gガンダム』に登場するデビルガンダムは、元々アルティメットガンダムという名称で、ドモン・カッシュの父、ライゾウ・カッシュ博士によって開発されたモビルファイターです。この機体は、「自己進化」「自己再生」「自己増殖」という3大理論を基に設計されており、その特異な能力から、物語において重要な役割を担います。英語圏では「Dark Gundam」という名で知られています。

機体概要

アルティメットガンダムは、ガンダムファイトでのメンテナンスフリーを目指し、U細胞を導入した機体として開発されました。当初は地球環境の再生に役立てられる予定でしたが、ライゾウ博士の才能を妬むミカムラ博士や、軍事兵器としての利用を目論むネオジャパン軍部によって、その運命は大きく狂わされます。

ライゾウ博士の息子であるキョウジ・カッシュは、母ミキノの犠牲を払いながらアルティメットガンダムで地球へ脱出を試みます。しかし、地球への落下時の衝撃で、機体は人類を地球環境浄化の障害と認識し、全人類の抹殺を目的とするデビルガンダムへと変貌してしまいます。キョウジはデビルガンダムの生体ユニットとして取り込まれ、その強大な力の一部となってしまいます。

デビルガンダムは、第13回ガンダムファイト開催中の地球を移動しながら、配下の機体「デスアーミー」シリーズとそのパイロットであるゾンビ兵を量産し、各国のガンダムファイターをDG細胞で洗脳して自らの配下に組み込み、デビルガンダム軍団を形成していきます。

各形態

デビルガンダムは、物語の進行とともに複数の形態へと変化します。

第1形態

アルティメットガンダムとして開発されていた時の姿です。この形態は、開発当初のコンセプトを反映しており、自己進化の能力を秘めています。

第2形態

新宿やギアナ高地で出現した姿です。第1形態を凌駕するパワーと機動力を持ち、頭部には「ガンダムヘッド」が連結されており、分身体であるMSデスアーミーを生産する能力も備えています。

コロニーデビルガンダム

ネオジャパン軍部が回収した第2形態の残骸に、レイン・ミカムラを生体ユニットとして取り込み、自己進化した姿です。ネオジャパンコロニーを取り込むように一体化し、背部には巨大な羽根を有しています。

最終形態

コロニーデビルガンダムの内部に存在する核となる存在で、レイン・ミカムラを生体ユニットとして格納しています。モビルファイター形態からモビルアーマー形態への変形が可能です。

武装・装備

デビルガンダムは、多彩な武装と装備を有しています。

バルカン砲
頭部に装備された機関砲です。劇中では、弾幕でガンダムシュピーゲルを破壊する場面もありました。
拡散粒子弾
両肩のファンや触手の先端、最終形態におけるデビルフィンガーの先端から発射されるビーム兵器です。
デビルフィンガー
最終形態時に両肩に装備された大型の爪です。伸縮自在で、普通のモビルファイターを掴めるほどの大きさがあります。
ガンダムヘッド
デビルガンダムが生み出した自律攻撃ユニットです。本体に繋がる触手の先が巨大なガンダムの頭部となっており、噛み付いたり、火炎放射やビーム、触手を発射します。中間形態から使用可能になります。
メガデビルフラッシュ
頭部や胸部から発射する高威力のビーム兵器です。一部ゲーム作品で登場します。

DG細胞

デビルガンダムの最大の特徴であるDG細胞（デビルガンダム細胞）は、元はU細胞と呼ばれていたテクノロジーであり、機体のメンテナンスフリーを目的として開発されました。ディマリウム合金の作用を利用した構造を持ち、あらゆる環境下での活動を可能にする生物的な要素を持っています。本来は、汚染物質の分子レベルでの除去など、地球環境の浄化に役立つと期待されていましたが、デビルガンダム化により、あらゆる構成物を自身の支配下に置き際限なく増殖する性質へと変質しました。

DG細胞は、無機物・有機物を問わず侵入し、機体のエネルギーや構造材を生産する能力を持ちます。生物の細胞組織にも入り込むことができ、その形質を掌握することが可能です。この技術は人間の精神に反応するディマリウム合金の特性を利用しているため、デビルガンダムは生体ユニットとして人間を取り込む必要があります。また、その動作には哺乳類以上の精神体が必要であり、複数いた場合は、より強い精神力の持ち主の影響を受けます。

ウォン・ユンファは、生体ユニットには「次世代の生命を生み出す力を持つ者・女性」が最適であると結論付け、アレンビー・ビアズリーを生体ユニットにしようとしましたが失敗。代わりにウルベ・イシカワの手でレイン・ミカムラが生体ユニットにされ、DG細胞に浸食されて金属像のような姿になってしまいました。

関連作品におけるDG細胞

『∀ガンダム』の世界では、ナノマシンを悪用した「DG細胞災害」というテロ事件があったことが記録されています。この事件後、地球圏全域でナノマシン研究は凍結されましたが、後に解禁され、月面都市の建設や医療用ナノマシンの開発に利用されました（ただし、∀ガンダムに登場するナノマシンはDG細胞とは直接的な関係はありません）。

劇中での活躍

デビルガンダムは、『機動武闘伝Gガンダム』の最大の敵として、ドモンたちの前に立ちはだかりました。当初は巨大な敵として登場しますが、その強大な力ゆえに権力者たちの野望に利用されます。ギアナ高地でシャイニングガンダムに撃破されますが、ウォンに回収され、ネオホンコンに運ばれます。ランタオ島での戦闘では、シュバルツの捨て身の行動で動きが鈍ったところをゴッドガンダムに再度撃破されます。その後、ウルベによって回収され、レインを生体ユニットとして復活、ネオジャパンコロニーと同化します。地球を自らの支配下に置こうとしますが、シャッフル同盟とガンダム連合に阻まれます。最終的に、レインはドモンに救出され、ゴッドガンダムが放った石破ラブラブ天驚拳によって撃破され消滅します。

バリエーション

デビルガンダムは、ゲームなどにも多く登場しており、ゲームオリジナルの形態も存在します。

デビルガンダム（オリジナル）
スーパーファミコン用ソフト『機動武闘伝Gガンダム』に登場する、カトキハジメデザインのオリジナル形態です。ロケットパンチや針状の触手で攻撃します。
デビルガンダム最終形態（狭義）
PlayStation用ソフト『機動武闘伝Gガンダム THE バトル』に登場する、原作に準拠した形態です。ビームやガンダムヘッドで攻撃します。
デビルガンダムJr.
PlayStation用ソフト『SDガンダム GGENERATION F』に登場する、デビルガンダムの末裔です。デスアーミーが集合・合体して誕生し、人類を奴隷化する目的を持っています。
デビルガンダム (OG)
PlayStation用ソフト『新スーパーロボット大戦』に登場する、最終形態から進化した形態です。『蒼き流星SPTレイズナー』のゴステロを取り込んでいます。
デビルアクシズ
NINTENDO64用ソフト『スーパーロボット大戦64』に登場する、アクシズと融合した形態です。
デビル機動要塞
ゲームボーイアドバンス・PSP用ソフト『スーパーロボット大戦A』に登場する、『機甲戦記ドラグナー』の機動要塞と融合した形態です。（マップ扱い）
デビルマスドライバー
PlayStation 2・PSP用ソフト『スーパーロボット大戦MX』に登場する、マスドライバーと融合した形態です。（マップ扱い）
デビルウルタリア
Wii用ソフト『スーパーロボット大戦NEO』に登場する、エルンスト機関の空中要塞と融合した形態です。
デビルガンダム（ACE2）
『Another Century's Episode 2』に登場する、各形態のパーツが混ざった形態です。
デビルガンダム（ガンダムvs.ガンダム版）
『機動戦士ガンダムガンダムVS.ガンダム』に登場する、コロニーデビルガンダムに似たゲームオリジナル形態です。
デビルガンダム（ガンダムvs.ガンダムNEXT版）
『機動戦士ガンダムガンダムVS.ガンダムNEXT』の背景に登場、一部モードではボスとして登場します。
デビル・ハイロゥ
PSP用ソフト『SDガンダム GGENERATION OVER WORLD』に登場する、エンジェル・ハイロゥと融合した形態です。（マップ扱い）

補足

総監督の今川泰宏によると、デビルガンダムのデザインは永井豪の漫画『魔王ダンテ』に影響を受けているとのことです。

関連項目

ガンダムシリーズの登場機動兵器一覧
* ∀ガンダム (架空の兵器)

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