東洋宣教会聖書学院

東洋宣教会聖書学院の概要

東洋宣教会聖書学院は、主に日本ホーリネス教会の教職を養成するために設立された神学教育機関です。この学院は1901年に設立され、最初は東京の神田神保町にありました。公式な名称としては「聖書学院」が一般的ですが、時折「東京聖書学院」とも呼ばれることがありました。ただし、これは別の団体である東京聖書学院とは異なるもので、地元で「柏木聖書学院」といった通称も使用されていました。

沿革

神保町時代 (1901-1904)

1901年4月1日、中田重治とチャールズ・カウマンの協力のもと、神田神保町の中央福音伝道館内で聖書学校が創立されました。初代校長の中田重治のもと、学生たちは熱心に勉学と伝道活動に取り組みました。1902年には、三谷種吉が音楽を教えたり、チャールズ・カウマンが福音伝道隊を組織するなど、学校は発展を遂げます。さらに、武田駒吉が加入し、組織神学を教えるようになりました。

柏木時代 (1904-1936)

神保町の環境が手狭になったため、学院は新宿の柏木に移転しました。1904年5月には新たに三千坪の土地が購入され、10月31日に新校舎に移転して「聖書学院」と名付けられました。この移転により、学院は徐々に成長し、ホーリネス派の教職を多数輩出するに至ります。1914年にはアーネスト・キルボルンが第2代院長に就任し、学院の教育方針が確立していきます。

東洋ホーリネス教会時代

1917年、新たに東洋日本ホーリネス教会が設立され、中田重治が院長に就任しました。多くの教授が参加し、実質的にホーリネス教会の教職養成機関としての役割を強化しました。1924年には、聖書大会が開催され、聖書信仰を推進するための活動が行われました。

ホーリネス分裂

しかし、1933年にはホーリネス分裂事件が起こり、その後の1936年には中田重治側と委員側との間で和協協定が成立しました。この合意により、学院は中田監督のきよめ教会の物となり、その後1945年には米軍の空襲によって聖書学院と淀橋教会が焼失してしまいます。

出身者

聖書学院からは多くの著名な人々が輩出されました。神田時代には多辻春吉や伊中小一が学び、柏木時代には平出慶一や井上伊之助などの卒業生が名を連ねました。これらの人物は日本のキリスト教界において重要な役割を果たしました。

総括

東洋宣教会聖書学院は、日本のキリスト教の発展に大きく寄与した教育機関です。特にホーリネス教会の教職養成において、重要な役割を果たしてきました。その歴史を通じて、数多くの人々がこの学院で学び、信仰を深め、教職としての道を歩んでいます。

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