東玉出停留場

概要

東玉出停留場（ひがしたまでていりゅうじょう）は、大阪府大阪市西成区玉出東に所在する、阪堺電気軌道阪堺線の路面電車停留場です。駅にはHN59の駅番号が付与されています。

本停留場は、自動車などの一般車両と同じ道路上を軌道が走る併用軌道区間に設置されており、一般的な鉄道駅とは異なる形態を持っています。

歴史

東玉出停留場は、1911年（明治44年）12月1日に、当時の阪堺電気軌道（旧社）によって「勝間駅（こつまえき）」として営業を開始しました。

その後、運営事業者は度々変わっています。

1915年（大正4年）6月21日には、当時の南海鉄道との合併により、同社の駅となりました。
詳しい時期は不明ですが、1941年（昭和16年）以降に現在の「東玉出停留場」へと名称が変更されたと考えられています。
太平洋戦争中の1944年（昭和19年）6月1日には、戦時下の会社統合によって南海鉄道が近畿日本鉄道に合併されたため、一時的に近畿日本鉄道の駅となりました。
戦後、1947年（昭和22年）6月1日には、近畿日本鉄道から路線が南海電気鉄道へ譲渡され、再び南海電気鉄道の駅に戻っています。
そして、現在の運営事業者である阪堺電気軌道へ移管されたのは、1980年（昭和55年）12月1日のことです。この時、南海電気鉄道から阪堺電気軌道へ路線が譲渡されました。

停留場構造

東玉出停留場は、路面電車と一般車両が共用する道路（併用軌道）上に設けられています。

乗り場は、交差点を挟んで斜向かいに配置される、いわゆる「千鳥式」と呼ばれる構造を採用しており、単式ホームが上下線でそれぞれ独立して2面設置されている2線構成です。

浜寺公園方面（下り）のりば: こちらの乗り場には安全地帯が設けられていますが、その幅は1メートルにも満たない非常に狭いプラットホームとなっています。安全地帯のすぐ隣を自動車などが頻繁に通行するため、電車が到着するまでの間は、安全のため道路脇や手前の交差点の角などで待機することが推奨されます。
* 恵美須町方面（上り）のりば: こちらの乗り場は、さらに特殊な構造です。道路の幅員にあまり余裕がないため、ホームや安全地帯は一切設置されていません。乗客は、道路上に停留場であることを示すペイントが施された、幅およそ50センチメートル程度の車道部分から直接、路面電車に乗降することになります。特に自動車の通行が多い時間帯には、周囲の交通に十分な注意を払う必要があります。

上下線ともに、雨風をしのぐための待合所や屋根といった設備は設置されていません。

また、停留場周辺の道路は、舗装状態があまり良くない悪路となっている箇所も見られます。駅を利用する際は、足元に気を付けるとともに、周囲を通行する車にも十分ご注意ください。

停留場周辺

南海本線および南海高野線の岸里玉出駅が、東玉出停留場から比較的近い場所にあります。岸里玉出駅の玉出口までは、西へおよそ200メートルほどの距離に位置しています。

周辺には、歴史を感じさせる建造物も残っています。南海電気鉄道の玉出変電所は、1911年（明治44年）に竣工したレンガ造りの重厚な建物で、開業当時の雰囲気を伝えています。

その他、地域ゆかりの阿部野神社や日本基督教団玉出教会といった宗教施設、地元住民が利用するHST西成スポーツセンターや西成屋内プール、テイクアウト飲食店の銀のさらなども周辺に立地しています。

過去のバス路線

かつては、停留場の近くに大阪市営バス（通称「赤バス」）の「玉出東二丁目」停留所が設置されており、西成東ループ系統のバスが停車していました。しかし、このバス路線は2013年（平成25年）3月31日をもって廃止されています。

隣の停留場

阪堺電気軌道 阪堺線

天神ノ森停留場 (HN58) - 東玉出停留場 (HN59) - 塚西停留場 (HN60)

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