東神戸渡り線

東神戸渡り線とは

東神戸渡り線は、兵庫県神戸市東灘区内に計画されている、阪神高速道路ネットワークにおける構想段階の路線の一つです。およそ2キロメートル程度の比較的に短い区間ですが、阪神高速3号神戸線と阪神高速5号湾岸線という、京阪神地域における東西方向の大動脈同士を結びつける重要な役割を担うことが期待されています。

この構想路線は、地域高規格道路として位置づけられている「東神戸線」の一部として計画されました。具体的には、阪神高速5号湾岸線の魚崎浜周辺と阪神高速3号神戸線の魚崎周辺を接続する連絡線としての機能を持つとされています。

計画の概要と期待される効果

東神戸渡り線の計画区間は、神戸市東灘区の臨海部を中心に展開されます。阪神高速5号湾岸線の魚崎浜出入口付近から分岐し、その後北へ向きを変えて阪神高速3号神戸線の魚崎出入口の東側付近に接続するルートが想定されています。これらの接続部においては、それぞれの高速道路との間で全ての方向への行き来が可能となるフルジャンクション形式での接続が予想されています。

この渡り線が実現すれば、多岐にわたる効果が期待されています。最も大きな期待の一つは、阪神高速3号神戸線の交通状況の改善です。現在、3号神戸線は大阪方面と神戸方面を結ぶ主要なルートとして非常に交通量が集中しており、特にピーク時には慢性的な渋滞が発生しています。東神戸渡り線が供用されることで、5号湾岸線を経由して広域的に交通を分散させることが可能となり、3号神戸線の混雑緩和に寄与することが見込まれます。

また、3号神戸線と5号湾岸線という二つの主要路線間のアクセスが大幅に強化されることも重要な効果です。これにより、大阪湾岸地域と神戸中心部、あるいはその先の地域との間の物流や人流がより円滑になり、広域的な交通利便性の向上や経済活動の活性化にもつながることが期待されています。

現在の状況と今後の展望

東神戸渡り線は、現時点ではあくまで構想段階にあり、具体的な建設計画や事業化には至っていません。今後の展望については、周辺の交通ネットワーク全体の動向を十分に踏まえる必要があるとされています。特に、現在計画が進められている大阪湾岸道路の延伸部や、名神高速道路と湾岸線を結ぶ名神湾岸連絡線といった新たな高速道路が開通し、それらが周辺の交通流動にどのような影響を与えるかを慎重に見極めた上で、東神戸渡り線の必要性や導入効果について再評価する必要があると考えられています。

関連する計画

東神戸渡り線は、地域高規格道路「東神戸線」の一部として位置づけられていましたが、「東神戸線」全体としては、その南北軸にあたる区間、すなわち魚崎浜付近からさらに北上し、阪神高速7号北神戸線の有馬口ジャンクション付近に接続する計画については、現在では計画が中止されています。これは、南北方向の交通軸については他の手段によって既に確保されていることなどを理由として、この区間の整備の必要性が低いと判断されたためです。したがって、東神戸線として計画されていた区間のうち、現在も構想として残っているのは、この3号神戸線と5号湾岸線を結ぶ渡り線部分のみということになります。

接続が想定される主な道路

阪神高速3号神戸線
阪神高速5号湾岸線

東神戸渡り線は、京阪神の交通ネットワーク強化に資する可能性を秘めた計画ですが、前述の通り、事業化に向けた具体的な動きは今後の交通状況の推移を慎重に見極めた上で判断されることになります。

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