紀伊長島町

紀伊長島町：豊かな自然と歴史が織りなす三重の町

紀伊長島町は、三重県南部、東紀州地域に位置する町として、2005年10月11日、海山町との合併により紀北町となり、その歴史に幕を閉じました。しかし、紀北町紀伊長島区として地域自治区制度が導入され、2016年3月31日までその形を残していました。温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、世界遺産である熊野古道の一部も含まれています。毎年7月には、幻想的な海のねぶたと花火が夜空を彩る燈籠祭が開催され、多くの人々を魅了します。

地理と気候

紀伊長島町は、温暖な気候と豊富な降水量を特徴としていました。赤羽川、有久寺川、志子川、片上川、尾山川、萩原川など、数々の河川が町を潤し、豊かな自然環境を育んできました。近隣には、宮川村、大紀[[町]]、海山町などの自治体がありました。

歴史の歩み

紀伊長島町の歴史は古く、1889年（明治22年）4月1日の町村制施行により、長島村として誕生しました。1899年（明治32年）2月21日には町制を施行し、長島町となりました。その後、幾度かの合併を経て、1955年（昭和30年）1月1日、現在の町域が形成されました。1970年（昭和45年）8月1日には、三重県内に同名の町が存在したため、長島町から紀伊長島町へと改称されました。昭和天皇の戦後巡幸時には、紀伊長島駅にお召し列車が停車するなど、歴史的な出来事も数多くありました。

行政と経済

紀伊長島町は、奥山始郎氏を最後の町長として、紀北広域連合、尾鷲地区広域行政事務組合、三重紀北消防組合などに所属していました。大阪府四條畷市とは友好都市提携を結び、地域間交流も盛んでした。黒潮の恵みを受けた熊野灘では、古くから漁業が盛んで町を支える主要産業でした。また、「熊野灘レクリエーション都市開発」を進め、観光立町を目指していました。

教育と文化

教育機関としては、三重県立尾鷲高校長島校舎、紀伊長島町立赤羽中学校、紀伊長島町立紀北中学校、そして複数の小学校や紀伊長島町多目的会館図書室がありました。長島城址、長島神社、長楽寺、仏光寺といった歴史的建造物や、有久寺温泉、きいながしま古里温泉などの温泉施設も存在し、町の文化を彩っていました。道の駅紀伊長島マンボウは、町の玄関口として地域交流を促進しました。

交通

紀勢本線（紀伊長島駅、三野瀬駅）が町を貫き、三重交通のバス路線も整備されていました。国道42号と国道260号が町の交通を支えました。電気供給は、当初北牟婁電力が担当し、後に中部電力へと移行しました。

娯楽

かつては、三河劇場、長島映画劇場、大洋館、中央劇場など複数の映画館がありました。

著名な出身者

紀伊長島町からは、児童文学者・教育者である小倉肇氏、霊術師の浜口熊嶽氏、著作家である大久保房男氏、ジャーナリストの北村博司氏、科学者の宮原章次氏など、様々な分野で活躍する人材を輩出しました。

まとめ

紀伊長島町は、歴史と自然、そして人々の営みが織りなす魅力あふれる町でした。合併によりその名は消えましたが、その歴史と文化は、紀北町、そして人々の記憶の中に生き続けています。

もう一度検索