東頸バス

東頸バス株式会社

新潟県上越市浦川原区に拠点を構える東頸バス株式会社は、地域の公共交通を支える重要な役割を担うバス事業者です。その運営形態は、自治体と民間企業が共同出資する第三セクター方式を採用しており、頸城自動車株式会社および沿線自治体である6つの市町村の共同出資によって、1996年（平成8年）に設立されました。主に、親会社である頸城自動車から引き継いだ一部の路線を、地域の公共交通空白域を補完する廃止代替バス（貸切免許）として運行しています。主な運行エリアは本社所在地である上越市浦川原区を中心とした周辺地域です。

沿革

東頸バスの歴史は、地域の交通ニーズに応えるべく設立された1996年から始まります。設立準備の過程で、同年7月には新たなバス事業者の名称が「東頸バス」に決定しました。そして、1996年10月1日、頸城自動車の浦川原出張所を分離・独立させる形で正式に事業を開始しました。その後、1997年頃には頸城小型バスの一部路線も引き継ぎ、運行網を拡充しました。しかし、時代の流れや地域の変化に伴い、路線の再編も行われています。2000年（平成12年）3月には山平線が廃止となり、2002年（平成14年）10月には、松之山町営バスの本格運行開始や北越急行ほくほく線の開業といった外部環境の変化を考慮した大規模な路線再編が実施され、松之山・津南線などが運行を終了しました。

本社・営業所

会社の運営拠点であり、車両の管理なども行われる本社営業所は、新潟県上越市浦川原区顕聖寺195番地8に位置しています。

保有車両

東頸バスが事業を開始した当初の車両数は、乗合代替用として13両、貸切専用として1両の合計14両でした。使用されている車両のメーカーとしては、設立以来、いすゞ自動車製と三菱ふそう製が大半を占めています。近年では、利用状況に応じた柔軟な運行を実現するため、より小型の車両（例えばトヨタ・ハイエースをベースとしたバスなど）の導入が進められています。

運行路線

東頸バスの主要な事業は、地域の交通手段確保を目的とした廃止代替バス路線の運行です。

上越市浦川原地区

かつて、2008年頃には浦川原区、安塚区、大島区を中心に多くの廃止代替バス路線を運行していましたが、地域の公共交通体系見直しの一環として、2009年頃に運行形態の再編が行われました。この再編により、地域幹線としての役割を担う東頸バス運行の路線と、地域内をきめ細かく結ぶ市運行の支線バスとに整理されました。

2021年4月時点では、東頸バスは以下の2つの幹線路線バスを運行しています。

60 安塚線：保健センター前を起点とし、安塚高校前、虫川大杉駅前を経由して浦川原バスターミナル、うらがわら駅前を結ぶ路線です。日曜・祝日およびお盆期間（8月15日・16日）、年末年始（12月29日～1月3日）は全便運休となります。
61 太平線：浦川原小学校前を起点に、浦川原バスターミナル、虫川大杉駅前を経由し、宝台寺、小谷島を経て大島コミュニティプラザ前まで運行する路線です。土曜・日曜・祝日およびお盆期間（8月15日・16日）、年末年始（12月29日～1月3日）は全便運休となります。

これら幹線路線のほか、地域内の移動手段として、2013年頃から運行を開始した支線のデマンドバス（路線番号62～65）が東頸バスによって運行されています。さらに、市営バス（大島1・2系統）や、2021年3月に安塚区の市営バスを廃止して新たに導入された乗合タクシー（路線番号92～95）が、これらのバス路線を補完する役割を担っています。

十日町市地区

2021年4月時点では、十日町市においても以下の2路線が東頸バスによって運行されています。

十日町線：松之山温泉を出発し、松之山診療所前、堺松、池尻、松代支所前、まつだい駅前、犬伏、名ケ山、浅河原を経由して、十日町病院前、十日町駅前までを結びます。
浦田線：まつだい駅を起点とし、松代病院入口、松代支所前、池尻を経由し、旧奴奈川小学校前、大宮を経て豊田に至る路線です。

東頸バスは、上越市および十日町市の一部地域において、住民の日常生活における重要な移動手段として、地域に根差した運行を続けています。

関連項目

頸城自動車
糸魚川バス

外部リンク

* 東頸バス株式会社（公式ウェブサイト）

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