松の木タクヤ

松の木タクヤ（Takuya Matsunoki、1962年4月26日 - ）は、日本のアーティストであり、画家、現代美術家、デザイナー、そして芸術思想家として、多岐にわたる分野でその才能を発揮しています。

学歴と初期の活動

1986年に多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科・版画専攻を卒業後、1992年にはロイヤル・カレッジ・オブ・アート（RCA）にてコミュニケーションデザイン（イラストレーション学科）の修士号を取得。さらに、チェルシー・カレッジ・オブ・アーツやゴールドスミス・カレッジにも客員学生として在籍し、幅広い美術教育を受けました。1981年からは、シルクスクリーンプリントやイラストレーションなどのグラフィック作品、絵画作品を、日本国内やロンドンのエキシビション、コンペティションで発表し始め、そのキャリアをスタートさせました。

研究業績と教育活動

松の木氏は、研究者としても活動しており、2002年から2003年にはロンドン大学との交換留学プロジェクトに携わりました。また、EPSONや大学生協などの企業や団体の検討会にも参加し、専門的な知見を提供。慶應大学情報環境学部では訪問研究員を務め、デジタルハリウッドでは特別講義を行うなど、教育分野にも貢献しています。

受賞歴と主な作品

1997年にはCG-ARTS協会CG Grand Pix in STEC with 石井勢津子を受賞、1992年にはD&AD Student Awards Yellow PencilsやAugustus Martin Print AwardsのScreenprint Prizeを受賞するなど、国内外で数々の賞を受賞しています。主な作品インスタレーションとしては、レントゲン藝術研究所、ベネッセハウス・直島コンテンポラリーアートミュージアム、伊勢丹美術館、ラフォーレミュージアム、SPIRAL GARDEN、ICA galleryなどが挙げられます。

プロデュースとアートディレクション

1995年には、日本初のナイトクラブ併設インターネットカフェ「Electronic Cafe Tokyo」を渋谷にプロデュース。また、BEAMS TIME CAFEやAppleイベント、QFRONTなど、数多くのディスプレイワークを手がけました。アートディレクターとしては、BEAMS WORKS、BE@MS、BEAMS NEWS、麒麟氷結、近藤等則MT.FUJI、Virtual甲子園などのウェブデザインやコーポレート・アイデンティティのアートディレクションを担当。ジュリアナ東京のフリーペーパーやコスチュームの制作にも携わりました。

教育支援

多摩美術大学情報デザイン学科では教鞭をとり、芸大・美大受験予備校である立川美術学院でもデザイン指導に尽力しました。

エキシビションと発表作品

1998年の『G9 ニューダイレクション』展をはじめ、数多くのエキシビションに参加しています。1990年代にはロンドンを拠点に作品を発表し、インスタレーションやディスプレイ展示など幅広い活動を展開。日本ではパラダイスカフェ、ロンドンではBred Balled Fine Art Londonがマネジメントをサポートしました。

寄稿とインタビュー

80年代から日本の雑誌にロンドンのアート、ダンスミュージック、サブカルチャー情報を寄稿。アーティストやイラストレーターの作品を紹介したり、インタビューに協力しました。『スペクテイター』、『STUDIO VOICE』、『AXIS magazine』、『IDEA Magazine』、『Mac Japan』など、多数の媒体に寄稿や連載をしています。また、静岡・常葉大学造形学部、ネットマガジン・Melike、鹿児島放送などのインタビューにも応じています。

作品集と著者

『Shinjuku Grand Place』など、自身の作品集を出版。また、オリジナルフォント集やCD-ROM作品集も制作しました。作品は『OUT OF BOUNDS』展覧会カタログ、『IDEA』、『Begin』などにも掲載されています。

ファッションデザイナーとしての活動

ロンドンのクラブファッションブランド「POSE」の初期デザイナーとして、反射材を用いたウェアを制作しました。また、ジュリアナ東京の反射材コスチュームを、ファッションデザイナーの浜井弘治と共同で制作しました。

松の木タクヤは、その多岐にわたる活動を通して、アート、デザイン、テクノロジーの境界を越え、常に新しい表現を追求するアーティストとして、国内外で高い評価を受けています。

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