松平光年

松平光年（まつだいら みつつら）は、江戸時代後期の大名で、信濃松本藩の第7代藩主です。戸田松平家の12代当主にあたります。実父は松本藩5代藩主の松平光悌、養父は分家である旗本戸田家から迎えられた松平光行です。また、公家の正親町三条実愛は光年の外孫にあたります。

生涯

天明元年（1781年）に、松平光悌の長男として誕生しました。父の死後、幼少であったため、一旦は分家の戸田家から養子として光行が迎えられ、家督を継ぎました。寛政6年（1794年）に光行の養子となり、徳川家斉に初めて謁見しました。同年12月には従五位下・河内守に叙任されました。寛政12年（1800年）、光行の隠居により家督を相続し、松本藩主となりました。

文化14年（1817年）には奏者番に就任し、幕府との関係を深めました。文政11年（1829年）には寺社奉行加役に任命され、従四位下となりました。天保5年（1834年）には、将軍徳川家斉より松を賜り、松本城内に植樹しました。天保8年（1837年）に松本で亡くなり、戸田家の菩提寺に埋葬されました。跡は、先代藩主・光行の三男で、光年の甥にあたる養子の松平光庸が継ぎました。

藩主としては、文化10年（1813年）と文政2年（1820年）に伊那郡の幕府領、計8000石を加増され、藩の財政基盤を強化しました。これらの加増は、藩政運営に大きく貢献したと考えられます。

系譜

実父：松平光悌（信濃松本藩5代藩主）
実母：梶原氏（側室）
養父：松平光行
正室：辰（戸田氏教の娘）
継室：寿美（蜂須賀重喜の娘）
側室：萩原氏、中村氏、保谷氏
子女：松平光領（四男）、松姫（正親町三条実義室）
養子：松平光庸（松平光行の三男）

参考文献

* 金井円『近世大名領の研究』

松平光年は、藩主として藩政に尽力し、幕府との関係を深め、藩の財政を安定させるなど、様々な功績を残しました。また、文化人としても知られ、その教養の高さは多くの人々に感銘を与えました。

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