松平康親

松平 康親

松平 康親（まつだいら やすちか）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将である。初めて名乗った名前は松井 忠次（まつい ただつぐ）。彼の通称には金四郎や左近将監、後には松平周防守康親という名も見られ、家系としては松井松平家（三河松井氏）の祖とされている。

生誕と家系

大永元年（1521年）、康親は三河国の幡豆郡吉良庄相場小山田村に生まれた。彼の父、松井忠直は松平宗家に仕官しており、松平清康や広忠に従っていたと伝えられている。しかし、新井白石は異なる見解を示しており、忠次の家系は東条吉良氏に属していたと考察している。このことから、康親一家の家系がどのように形成されたのか、詳しい情報が残されている。

東条松平家の戦い

康親は若い頃、今川氏の家臣として記録に残るようになり、特に天文20年（1551年）には今川義元から直接命令を受けた事例が確認されている。その後、彼は東条松平家に仕官し、家族関係を築くことでさらなる忠誠を示した。しかし、弘治年間には今川氏との関係が悪化し、忠次は忠茂と共に奥平氏や菅沼氏との戦いに参加。忠茂が戦死した後、忠次が撤退を行い、彼の行動が家族の未来を決定づけることとなる。

松井松平家の成立

永禄3年（1560年）に今川義元が桶狭間の戦いで敗死し、康親は徳川家康に仕官することになった。同年、東条城を攻撃し成功を収めると、彼は東条松平家の要となっていった。義昭を攻め、次第に権力を拡大していった康親は、松平姓を名乗ることが許可され、松井松平家の成立に寄与した。

戦国時代の功績

その後、松平康親は徳川家康の下で多くの戦闘に参加。姉川や近江平定の戦いなど、数々の戦いを通じて彼の武名は広まった。天正3年（1575年）には鳶巣城の攻略などで評価され、周防守の称号を授与された。一方、彼の家族も重要な立場にあり、康親自身も家康の信任を受けながら苦労を重ねた。

対北条戦

天正9年（1581年）には、家忠が去った後、康親が名代としてその後を支えることとなった。翌年、駿河国沼津の三枚橋城に拠点を移し、北条氏との戦闘に備えた。ここから約8年間にわたり、康親は北条との武力対峙に臨んだ。彼の戦略と行動は、徳川氏領の安定に寄与したと評価されている。

最後の日々

康親は天正11年（1583年）、三枚橋城にて死去した。享年は63であり、彼の法名は空閑院殿厳誉豊月崇輝大居士であった。彼は愛知県の法応寺に葬られ、今もなお彼の功績について語り継がれている。

家族

康親の家族に関しては、正室に江原丹波守政秀の娘を迎え、継室には松平次郎右衛門の娘がいた。子供には長男・康次、次男・忠喬、長女・唐梅院があり、彼女は井伊直政の妻となった。また、康親には5人の養女もおり、彼の血筋は続いている。弟の松井次郎兵衛光次も戦国時代を生き抜き、彼の子孫は名だたる藩に仕官した。

松平康親はその戦略家としての手腕により、戦国時代の激動を生き延びた。彼の人生と家族が歩んだ道は、歴史において重要な足跡を残している。

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