松平真乗

松平真乗（まつだいらさねのり）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、大給松平家の5代目当主です。父は4代目当主の松平親乗です。

真乗は早くから徳川家康（又従兄にあたる）に仕え、その武勇を発揮しました。永禄12年（1569年）の遠州平定戦では、松平清宗に代わって石川家成の指揮下に入り、掛川城の守備を担当しました。その後、遠江国榛原郡の小山城攻めでは武功を挙げ、榛原郡内で2000貫文の所領を得るなど、その功績は高く評価されました。

元亀元年（1570年）の姉川の戦いや、元亀3年（1572年）の三方ヶ原の戦いにも参戦し、数々の戦場でその名を轟かせました。また、上杉謙信と徳川家康の交渉時には、徳川方の窓口役を務めるなど、外交面でもその才能を発揮しました。

天正3年（1575年）の長篠の戦いでは、真乗に仕える騎馬武者6名が鳶巣山砦攻撃に参加し、戦後は三信国境の武節城の守備を任されました。天正8年（1580年）には、家康が田中城攻めから帰還する際の殿を務めていましたが、持船城から朝比奈信置の襲撃を受けた際には、石川数正とともに反撃し、これを撃退しました。

さらに、天正9年（1573年）の高天神城攻めでは、福島為基ら5人を城内に潜入させる作戦を実行し、その後の攻略に大きく貢献しました。このように、真乗は戦場での活躍だけでなく、戦略的な思考にも長けていたことが伺えます。

天正10年（1582年）に37歳という若さでこの世を去りましたが、その短い生涯の中で、徳川家康の天下統一に大きく貢献しました。家督は長男の家乗が継承しました。

真乗は、武勇に優れるだけでなく、外交や戦略にも長けた人物であり、戦国時代の激動期を生き抜いた名将の一人として、その名を歴史に刻んでいます。彼の活躍は、徳川家康の覇業を支える上で欠かせないものであったと言えるでしょう。

もう一度検索