石川家成

石川家成（いしかわ いえなり）

石川家成は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将で、徳川氏の家臣として活躍しました。美濃大垣藩の第2代藩主であり、徳川家康の母方の従兄である石川数正の叔父にあたる人物です。ただし、年齢は数正の方が1歳上でした。

生涯

天文3年（1534年）、石川清兼の三男（次男説もあり）として三河国西野（現在の愛知県西尾市）に誕生しました。母は家康の生母である於大の方の姉にあたります。家康が今川義元の人質であった頃から仕えた譜代の家臣で、家康初期の覇業を支えました。

永禄元年（1558年）の寺部攻めでは先鋒を務め、その後の丸根砦攻略戦（1560年）、鳥羽根城攻略戦（1561年）、三河一向一揆鎮圧戦（1563年）、姉川の戦い（1570年）など、数々の戦で活躍しました。特に、西三河の旗頭（東三河は酒井忠次）として、家康の初期の勢力拡大に大きく貢献しました。三河一向一揆の際には、熱心な一向宗信者であったにもかかわらず、父の清兼と共に他宗に改宗し、家康への忠誠を誓いました。

永禄12年（1569年）には、今川氏真が没落したため、遠江国掛川城主に任命されました。同年、甥の数正に西三河の旗頭の地位を譲っています。

天正8年（1580年）、長男の康通に家督を譲って隠居しましたが、天正18年（1590年）に家康が関東に移封されると、伊豆梅縄に5000石の隠居料を与えられました。

慶長12年（1607年）、大垣藩初代藩主であった康通が死去したため、家督を復帰し第2代藩主となりました。しかし、高齢であったためか、幕政には関与しませんでした。慶長14年（1609年）10月19日（29日とも）に死去し、享年76歳でした。康通の嫡子である忠義はまだ幼かったため、外孫で養子の忠総が跡を継ぎました。

家康からの信頼は非常に厚く、「無二の忠臣」と称されるほどでした。家成の死後、通常であれば無嗣断絶となる状況でしたが、その忠義を鑑みて石川家は存続を許されました。

系譜

父母
石川清兼（父）
妙春尼 − 水野忠政の娘（母）
正室
松平清善の娘
子女
石川康通（三男）
石川成次
大久保忠隣正室
本多康重正室
養子
石川忠総 ー 大久保忠隣の次男
石川成堯 ー 大久保忠隣の五男

脚注

参考文献
* 川口素生『戦国軍師人名事典』学習研究社、2009年。

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