松平綱国

松平綱国の生涯と家族

松平綱国（まつだいら つなくに）は、江戸時代前期から中期にかけて活動していた越後国高田藩の世嗣である。彼の人生は、政治的な転機や家族の影響を受けながら展開された。

1. 幼少期と出自

綱国は、御連枝である永見長頼の子として生まれた。彼の誕生年ははっきりしていないが、その背景には藩の権力構造がある。延宝2年（1674年）、伯父である松平光長の嫡子である綱賢が死去した際、綱国は藩主の世嗣として選ばれる。これにより、彼は将軍徳川家綱から偏諱を受け、松平綱国を名乗ることとなった。

2. 越後騒動とその後

しかし、綱国の藩主としての道は平坦ではなかった。小栗正矩を筆頭とする重臣たちとの対立が続き、特に越後騒動が彼の運命を大きく変えた。藩主である光長が処罰され、結局高田藩は改易となる。これに伴い、綱国は備後国福山藩にお預けとなった。

彼は長い間拘束されるが、最終的には赦免される。しかし元禄6年（1693年）には廃嫡される運命に。これにより、結城松平家から宣富が迎え入れられ、世嗣となった。綱国にとっては非常に厳しい時期であった。

3. 廃嫡後の生活

廃嫡された後、綱国は美作国津山に移住し、宮川御殿と呼ばれる屋敷に残りの生を過ごすことになる。彼は宝永5年（1708年）に出家し、更山と号した。これ以降の彼の人生は、宗教的な側面が強くなっていく。綱国は享保20年（1735年）に74歳という年齢で亡くなる。

4. 家族と子孫

綱国の婚約者は、池田綱政の次女である松子であったが、正妻となったかどうかは不詳である。彼には生母が不明な子女がいる。男子は安藤国近（1693-1724）、女子は豊子（1712-1766）であり、豊子は安藤国近の養女として池田政純に嫁いだ。

綱国の子孫は、姓を永見に改め、津山藩の家老としての伝統を継承していくこととなる。明治3年（1870年）には再び松平姓に戻されるが、彼の家系自体は大きな変遷を経ながらも存続している。

5. まとめ

松平綱国の人生は、波乱に満ちたものだった。藩主としての道が断たれた後も、彼は新たな道を歩み続け、その子孫はしっかりとした家系を築いていった。その生涯を通じて、彼は江戸時代の移り変わりを象徴する存在と言える。

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