松平重忠 (三木家)

松平重忠は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将であり、三木松平家の二代目当主として知られています。彼の父は、徳川家康の大叔父にあたる松平信孝です。

生涯

重忠の父である信孝は、松平清康の弟であり、当初は清康の遺児である松平広忠を支える立場にありました。しかし、岡崎の老臣たちとの対立から失脚し、最終的には広忠と交戦するに至ります。天文17年（1548年）には、菅生河原（安城合戦）で討たれました。

重忠は、寛政重修諸家譜の記述から、天文9年（1540年）に生まれたと推測されています。成長後は徳川家康に仕え、天正18年（1590年）に家康が関東に入部した際には、大番頭という役職に就きました。慶長5年（1600年）に職を辞し、家督は長男の松平忠清が継承しました。

しかし、慶長6年（1601年）12月2日に重忠が亡くなった後、間もなく12月22日に忠清も32歳という若さで後継ぎを残さずに死去してしまいます。重忠の次男である忠利は既に別家を立てていたため、三木松平家の嫡流は絶えることとなりました。

人物

寛政重修諸家譜には、重忠が徳川家康の木像を彫刻したという逸話が記されています。重忠が手作りしたその木像を屋敷に安置していたところ、その話を聞いた家康が木像を見たいと言い、重忠に持参させました。家康は木像を見て、自分の死後にはこの像を拝むように言い、重忠に返したとされています。この木像は後に忠利の家に伝えられ、忠利の家の菩提寺である目白の養国寺に奉納されました。家康像は境内に別殿を設けて祀られ、養国寺は「権現様の寺」と呼ばれるようになったと言われています。

系譜

寛政重修諸家譜には、重忠の実子として2人の息子と1人の娘が記載されています。

父：松平信孝
母：不明
長男：松平忠清
次男：松平忠利
* 娘：松波勝安の妻

長男の忠清は父である重忠と同年に亡くなったため、三木松平家の嫡流は途絶えてしまいました。次男の忠利は、重忠の所領のうち500石を分け与えられて別家を立てましたが、職務上の落ち度により一時改易されています。しかし、その後復帰し、子孫は旗本として存続しました。娘は600石取りの旗本である松波勝安に嫁ぎました。松波勝安は、斎藤道三の曾孫にあたる人物であると伝えられており、大番や代官を歴任しました。

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