松永賞

松永賞について

松永賞（まつながしょう）は、優れた研究をする若手科学者を称えるために設立された科学技術の賞です。この賞は、1962年から1978年にかけて財団法人松永記念科学振興財団が授与しました。受賞者には、研究費を目的とした賞金が贈られる仕組みになっていました。松永賞は、科学界における名誉と若手研究者の励みとなる重要な賞となっています。

松永安左エ門の影響

松永賞の由来は、松永安左エ門（1875 - 1971）にあります。彼は電力業界の著名な実業家であり、電力会社の経営後も多くの重要な役職を歴任しました。特に、電気事業再編成審議会の会長として、電力政策に大きな影響を与えました。

松永が私設のシンクタンクである産業計画会議を主宰していたことで、彼の意見は政界にも広まりました。彼の業績を称えるために、1962年に松永記念科学振興財団の創設が決定され、同時に松永賞も設立される運びとなりました。池田勇人内閣総理大臣がこの設立を発起し、経済界からも広く支持を受けて、基金が募られました。

松永賞の開催と受賞対象

初めての表彰式は、松永の誕生日に当たる1963年12月1日に行われました。松永賞は基本的に自然科学分野における優れた研究が対象ですが、社会科学も受賞対象に含まれています。このことから、広範な科学分野の研究者が評価される機会が与えられています。

特に、1978年にはノーベル化学賞受賞者である野依良治が初めてこの賞を受賞し、松永賞の重要性が改めて認識される出来事となりました。

歴代受賞者一覧

松永賞の受賞者は多岐にわたり、以下に代表的な受賞者をご紹介します。

• - 1963年　不明
• - 1964年　久保亮五、早石修
• - 1965年　伊理正夫、矢島聖使
• - 1966年　岸力、溝畑茂
• - 1967年　鈴木禄彌、坪井正道
• - 1968年　猪瀬博
• - 1969年　西澤潤一
• - 1970年　田中郁三、富澤純一
• - 1971年　伊達宗行、和田昭允
• - 1972年　小宮隆太郎、山崎敏光
• - 1973年　竹内昭夫、等松隆夫
• - 1974年　菅野卓雄、新開陽一
• - 1975年　北川善太郎、富永健一、西塚泰美
• - 1976年　大瀧仁志、水島昭二
• - 1977年　堀田凱樹
• - 1978年　天野明弘、大家寛、鈴木増雄、野依良治

このように、松永賞は多くの優れた研究者を表彰してきました。受賞者の中には、有名な科学者も多く含まれており、その功績は日本の科学技術の発展に貢献しています。松永賞は、その歴史と伝統を通じて、今後も未来の科学者たちの活動を支援し続けることでしょう。

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