松田九郎

松田九郎（まつだ くろう）は、1922年8月1日に生まれ、2015年2月9日に92歳で没した日本の政治家です。衆議院議員を2期務め、その活動期間中には、長崎県議会議長、自民党国対副委員長、宗教政治研究会事務局長など、数々の要職を歴任しました。長男は元長崎県議会議員の松田正民です。

生涯

長崎県北松浦郡佐々町出身。法政大学専門部法科を1943年に卒業後、長崎県議会議員、同議長を経て、1983年12月の第37回衆議院議員総選挙で初当選を果たしました。当選後は河本派に所属し、自治政務次官も務めました。2期連続で当選を果たしましたが、1990年2月の第39回衆議院議員総選挙で落選。

その後も政界への復帰を目指し、1993年の第40回衆議院議員総選挙にも出馬しましたが、再び落選という結果に終わりました。1995年の第17回参議院議員通常選挙では、無所属で長崎県選挙区から出馬しましたが、自民党公認の新人候補者と共倒れとなり、落選しました。その後、新進党、自由党と所属政党を移籍し、国政復帰を目指しましたが、志を果たせませんでした。

1998年2月には、金子原二郎の長崎県知事転身に伴う長崎4区補欠選挙に出馬しましたが、落選。さらに、選挙における買収容疑で逮捕され、裁判の結果、2000年に最高裁で懲役1年10ヶ月の実刑判決が確定しました。また、1994年には勲三等旭日中綬章を受章しましたが、2000年7月7日に褫奪されています。

晩年は不遇で、2008年2月21日には交通事故に遭い重傷を負いました。2015年2月9日、急性呼吸不全のため長崎県佐世保市の老人施設で生涯を閉じました。

人物像

松田九郎は、国会において「ヤジ将軍」として知られていました。しかし、その一方で、長崎県議会議長時代には、原子力船「むつ」の佐世保港受け入れを巡る議会で、反対派を退席させるなど、強硬な一面も見せています。

鈴木宗男とは盟友であり、鈴木がヤジで注意を受けた際には、共に抗議したというエピソードが残っています。鈴木は松田の逝去に際し、「よく7年間の闘病生活を頑張られたなと…松田先生らしい生き様だったと。『やじは演説の花』とよく言われますが、頭の良さ、勘の良さがありました」とコメントしています。

1989年7月20日には、テレビ朝日の番組に出演し、農業問題について議論しました。その際、農家の高齢化や技術習得の遅れについて言及したことが物議を醸し、番組に抗議の電話が殺到する事態となりました。

このように、松田九郎は、激動の昭和・平成の時代を駆け抜けた政治家であり、その言動は常に注目を集めました。毀誉褒貶はありましたが、その存在感は、日本の政治史に深く刻まれています。

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