板倉中

板倉中の生涯



板倉中（いたくら なかば、1856年9月29日 - 1938年3月5日）は、明治時代に活躍した政治家であり、衆議院議員として8期務めました。彼は上総国長柄郡関村、現在の千葉県長生郡白子町で生まれ、法律を学んだ後に代言人、すなわち弁護士としての道を歩み始めました。

学問と初期の活動



まず、板倉は講法学舎や明法学舎で法律を学び、その知識を武器にしていきました。彼は自由民権運動に強く関与し、特に社会的な問題に対して積極的に意見を表明しました。代表的な事件として、加波山事件の裁判では富松正安の弁護を担当し、大阪事件では大井憲太郎と共に自由党の飯田喜太郎の弁護を行いました。これらの活動は、彼が法の重要性を強調し、正義のために戦う姿勢を持っていたことを物語っています。

政治家への道



その後、板倉は千葉県会の議員に選出され、議長にも就任しました。また、彼は「東海新報」を発行し、後に東海新聞と名を改めるこのメディアの社主としても知られています。1890年には第1回衆議院議員総選挙において、千葉県第5区から立憲自由党の候補者として立候補し、初当選を果たしました。それ以来、彼は衆議院議員として8回の当選を経験しました。

大浦事件とその影響



しかし、彼の政治キャリアは1915年に大きく揺らぎます。この年、第2次大隈内閣の内務大臣であった大浦兼武が二個師団増設案を通過させるために議員を買収した事件が明るみに出ました。この「大浦事件」において、板倉も関与していたため、彼は政界から引退することを余儀なくされます。彼はこの事件の結果、懲役6か月、執行猶予3年の判決を受け、与えられていた勲四等と韓国併合記念章、大礼記念章も剥奪されました。

隠遁生活と最期



政界を離れた後、板倉は故郷での静かな生活を選びました。この隠遁生活では、政治家としての成功とその後の失脚について様々な思索を重ねていたことでしょう。1938年、彼は82歳でこの世を去りました。

参考文献




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