板垣恭一

板垣恭一

板垣恭一（いたがき きょういち）は、1964年に東京都で生まれた、日本の演劇界を牽引する演出家の一人です。

人物とキャリア

日本大学藝術学部演劇学科に学びましたが、後に中退しました。大学に籍を置いていた頃から、当時注目を集めていた劇団「第三舞台」にスタッフとして参加し、演劇制作の現場経験を積みました。第三舞台を離れた後は、特定の劇団に所属しないフリーランスの演出家として活動を開始します。多様なカンパニーやプロデュース公演でその手腕を発揮し、幅広い活動を展開しています。

特に、劇作家の中谷まゆみ氏とは多くの作品でタッグを組み、互いのクリエイティビティを掛け合わせることで、観客に強い印象を残す作品を数多く生み出してきました。

演出活動と特徴

板垣恭一の演出スタイルは多岐にわたり、緊密な人間関係を描くストレートプレイから、壮大なスケールのミュージカルまで、ジャンルを問わず手掛けています。戯曲の意図を深く読み解き、俳優の個性を引き出す丁寧な演出が特徴です。感情の揺れ動きを繊細に表現しつつ、舞台作品としてのエンターテイメント性も追求することで、観る者の心に深く響く作品を創造しています。

初期の共同演出作品から始まり、俳優座劇場、PARCO劇場、日生劇場といった主要な劇場で精力的に活動。代表作としては、『今度は愛妻家』や『ラブハンドル』などのストレートプレイに加え、近年では再演も重ねられた『ミュージカル フランケンシュタイン』のような大型ミュージカルでも高い評価を得ています。また、『あさひなぐ』では脚本・演出を務めるなど、創作の幅を広げています。公益社団法人日本劇団協議会が主催する企画への参加など、日本の演劇界全体の発展にも貢献しています。

その他の活動

演劇の創作活動に加え、次世代の才能育成にも関心を寄せています。2014年からは、公益社団法人日本劇団協議会主催の「日本の劇」戯曲賞の最終選考委員を務め、現代戯曲の動向を見つめ、新しい書き手の発掘にも力を入れています。フリーの演出家として、常に新しい表現の可能性を探求し続ける姿勢は、日本の現代演劇における重要な存在として認識されています。

主な演出作品

ヴァンプ・ショウ（1992年）※池田成志と共同演出
ビューティフル・サンディ（2000年、2003年）
ペーパーマリッジ（2001年）
今度は愛妻家（2002年）
お父さんの恋（2005年）
ラブハンドル（2006年）
サムシング・スイート（2007年）
ちいさき神の、つくりし子ら
エンバース〜燃え尽きぬものら（2008年）
歌謡シアター「ラムネ」～夢の途中編（2008年）
罠
キサラギ（2009年）
グローリー・デイズ
暗くなるまで待って（2009年）
ブロードウェイミュージカルSide Show（2010年）
イカれた主婦（2010年）
奇跡のメロディ～ 渡辺はま子物語 ～（2010年）
アントニーとクレオパトラ（2010年）
フォーエヴァー・プラット（2013年）
君は即ち春を吸ひこんだのだ（2016年）作：原田ゆう
ミュージカル『フランケンシュタイン』（2017年）
あさひなぐ (2017年）脚本・演出
いつか〜one fine day（2019年）
ミュージカル『フランケンシュタイン』（2020年）
いつか〜one fine day 2021（2021年）
ミュージカル「October Sky －遠い空の向こうに－」（2021年）
* ミュージカル「魍魎の匣」（2021年）

もう一度検索