柳亭燕路 (6代目)

六代目 柳亭 燕路

六代目柳亭燕路（りゅうてい えんじ、1934年10月20日 - 1991年2月10日）は、日本の著名な落語家であり、落語研究家でもありました。本名は黒田建之助で、出囃子は「五郎時致のせり」という伝統的なものを使用していました。彼は東京都大田区で生まれ、1954年に五代目柳家小さんに弟子入りしてから、長い間落語の世界で活躍しました。

経歴と成長

彼の芸人人生は、1954年の入門から始まりました。当初は前座名である「小助」として活動し、1957年には二ツ目に昇進し、五代目柳家小団治を名乗るようになりました。さらに、1968年に橘家文蔵と共に真打に昇進し、六代目柳亭燕路を襲名しました。このように、燕路は常に落語界の重要な位置を占めていましたが、晩年は肝硬変という病に悩まされながらも、体調を注意深く見守りながら独演会を続け、ファンに愛される存在でした。1991年に逝去し、彼の墓所は府中市の多磨霊園にあります。

芸歴と貢献

燕路は単なる落語家にとどまらず、落語研究家としても多大な貢献をしました。彼は古典落語の普及に力を注ぎ、子供たちが落語を楽しめるように、古典から選んだネタをアレンジした作品を数多く発表しました。特に『こども寄席』というシリーズでは、古典落語「子ほめ」が国語の教科書に掲載され、その影響力は計り知れません。また、彼は新作落語にも挑戦し、ニコライ・ゴーゴリの「外套」を題材にするなど、伝統を重んじつつも新たな表現を追求しました。

円熟期には「竹取物語」に基づく創作落語を発表し、古典文献の研究と歴史的資料の収集に精力的に取り組みました。特に初代談洲楼燕枝の研究は彼のライフワークとなり、晩年には自身が燕枝の名を継ぐ計画を立てていました。

個性と家族

燕路は自ら筆不精であることを認めていましたが、ワープロを購入して以降は、独演会の案内や手紙を自分で作成するようになり、コミュニケーションのスタイルが変化しました。彼のプライベートライフについても注目が集まりました。彼の妻は絵本作家として知られるせなけいこであり、彼の息子には比較言語学の研究者である黒田龍之助がいます。また、せなけいこの娘である黒田かおるも絵本作家として活動しています。

著書と影響

六代目柳亭燕路は多数の著書も残しており、その中には『落語家の歴史』や『子ども寄席』などがあります。これらの作品を通じて、彼は落語の魅力を広め、次世代への知識の橋渡しをしました。彼の活動は落語界の未来に向けて大きな影響を与えています。燕路の遺した足跡は、落語という文化の存続と繁栄に寄与するものとして、これからも多くの人々に受け継がれていくことになるでしょう。

もう一度検索