柳田聖山

柳田聖山（やなぎだ せいざん）の人生と業績

生い立ちと教育

柳田聖山は1922年12月19日に、滋賀県愛知郡稲枝村（現在の彦根市）の延寿寺で誕生しました。この寺の名前は、歴史的に有名な杭州西湖の霊隠寺と関わりがあります。彼は1940年に滋賀県立彦根中学校を卒業し、その後、臨済学院専門学校（現在の花園大学）や大谷大学で学びました。修行を積んだ後、京都大学の文学部にも聴講生として通い、久松真一教授から学びました。彼はFAS禅運動に参加し、中国禅宗史の研究を飽くなき情熱で進めました。

学術生活

1949年、柳田は花園大学仏教学部で助手としての職に就き、1950年から講師、1954年には助教授、1960年に至っては教授に昇進しました。なお、1968年には文学部長としての役割も担いました。1950年に姓を改め、柳田姓となります。その後も研究に情熱をかけ、1976年には京都大学人文科学研究所の教授に就任。1985年には所長に就任し、1986年には名誉教授となります。退任後は中部大学の教授を経て、花園大学文学部教授としての任務を果たしました。

市民活動と学問への貢献

彼は学問だけでなく、市民活動にも精力的に取り組みました。1992年には「環境市民」という市民団体の共同代表に就任し、1990年には峨眉山に良寛詩碑を建てることにも携わりました。2006年11月8日に彼は生涯を閉じましたが、彼の遺骨は延寿寺に葬られています。

学問の成果

柳田は特に中国禅宗史の研究で名を馳せ、多くの著書を残しています。彼の弟子には、衣川賢次、西口芳男、小川隆などがいます。彼の文庫、通称「柳田文庫」には約14,000冊の蔵書があり、1989年には花園大学禅学研究所に寄贈され、現在も多くの研究者に利用されています。彼は社会的にも影響力のある存在であり、同時代の研究者とともに「東の関口、西の柳田」と称されています。

家族背景と姓の由来

彼の妻は茶道家の柳田宗葩であり、義父は哲学者である柳田謙十郎です。柳田姓を名乗る決意をするには十年の月日を要しました。その背後には、歴史的な出来事や恩師との出会いが影響を与えています。

著作一覧

柳田聖山は、その多くの著作において、禅宗の先達たちからの知恵や理念を深く掘り下げ、彼自身の解釈を加えていきました。著書の一部は以下です：

• - 『日本の仏教 第9巻 臨済の家風』
• - 『禅の時代 栄西・夢窓・大灯・白隠』
• - 『初期禅宗史書の研究』
• - 『破るもの』
• - 『臨済録 佛典講座30』

彼の研究は学問の枠を超えて、多くの人々に影響を与え続けています。著作を通じて、禅の思想や中国禅宗の歴史を掘り下げていった彼の功績は、現代においても重要な意義を持つといえます。

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