柿木将棋

柿木将棋について

柿木将棋（かきのきしょうぎ）は、将棋をテーマにしたコンピュータソフトウェアの一連のシリーズです。開発者の柿木義一の名前を冠したこのソフトウェアは、エンターブレインからPC向け、アスキーから家庭用ゲーム機向けにリリースされ、多くの将棋ファンに親しまれています。

歴史と特徴

このソフトは、世界コンピュータ将棋選手権に初回から参加している伝統ある製品であり、特に1990年代には優れた成績を収めました。具体的には、準優勝を4回達成していますが、未だ優勝には至っていません。2008年の大会を最後に決勝進出はないものの、長年にわたって高い競技力を維持しています。

市販ソフト版は直感的な使いやすさが高く評価されており、特に棋譜管理機能や詰将棋作成には便利な余詰検出機能が充実しています。柿木形式（.kif）やCSA形式（.csa）などの棋譜形式は業界内でも広く使われています。加えて、開発者の公式ウェブサイトでは、無料で利用できる棋譜管理ソフトやデータベースも提供されており、これによりユーザーは棋譜を容易に扱うことができます。

柿木将棋は、スマートフォンやタブレット向けのアプリケーションとしても展開しています。2009年にiPhone版、2010年にはiPad版がリリースされ、特にiPad版は『将棋世界』の電子版との連携が図られていました。これにより、ユーザーは『将棋世界』に掲載された棋譜を取り込み、自らの対局や研究に活用することが可能でした。この機能は2014年3月まで利用可能でした。

2013年12月には、待望の新バージョン『柿木将棋IX』が登場し、パッケージ販売を終了。以降は、ベクターのウェブサイトからダウンロード購入が可能なシェアウェア形式に移行しました。

競技会成績と評価

レビューにおいても、初期のPS版『柿木将棋2』は高評価を得ています。電撃PlayStationDPSのレビューでは145点のスコアを記録しました。レビュアーたちは、COMの思考速度や強さを高く評価し、家庭用の将棋ゲームとして棋力向上に貢献するソフトだと述べています。ただし、某レビュアーは難点としてそのあっさりとしたゲームプレイに対してもう少し熱中できる要素が欲しいとも指摘しています。

市販タイトル一覧

• - 柿木将棋 - 3DO、1994年10月21日（アスキー）
• - 柿木将棋 - PlayStation、1994年12月22日（アスキー）
• - 柿木将棋 - セガサターン、1995年4月14日（アスキー）
• - 柿木将棋 - スーパーファミコン、1995年9月1日（アスキー）
• - 柿木将棋2 - PlayStation、1998年3月26日（アスキー）
• - 柿木将棋IV - PlayStation 2、2000年3月4日（アスキー）

関連情報

柿木将棋は、コンピュータ将棋そのものの歴史の中でも重要な一角を成しており、将棋棋士とコンピュータの対局一覧や他のコンピュータ将棋ソフトと比べてもその位置付けは特に際立っています。

外部リンクも豊富にあり、 柿木将棋VIII や 柿木将棋IX など、最新の情報を得るためのサイトが整備されています。

このように、柿木将棋は長年にわたり進化を続け、将棋愛好者や研究者にとって欠かせない存在となっています。

もう一度検索