栄福寺 (千葉市)

栄福寺について

栄福寺は、千葉市若葉区大宮町に位置する天台宗の寺院です。山号を坂尾山と称し、千葉市街から南東へ約5kmほどの台地にあります。かつては千葉荘池田郷に属していました。

歴史

寺伝によれば、栄福寺の起源は1130年に遡ります。千葉常重が千葉城を構えた数年後、家臣の坂尾五郎治が妙見を祀ったことに始まるとされます。翌年には北斗山金剛授寺と大宮権現（現在の大宮神社）を建立しました。しかし、坂尾五郎治は11世紀の人物であるという説もあり、その真偽は定かではありません。

その後、1625年に上野寛永寺の末寺となり、如意山養福寺と改称されました。さらに1650年には坂尾山栄福寺と名を改め、現在に至ります。江戸時代には、島原の乱で戦死した板倉重昌の次男である板倉重直が、この地を屋敷地としていたという記録も残っています。

境内

山門をくぐると、正面に本堂が建立されています。向かって右側には妙見地蔵堂と、有名な枝垂れ桜があります。この桜は「坂尾の桜」として知られ、坂尾五郎治の妻である高枝が病気平癒の感謝を込めて植えたと伝えられることから、「姫桜」とも呼ばれています。毎年春には、約3000人もの人々がこの美しい桜を鑑賞に訪れます。

境内は、かつてこの地にあった館の跡であり、高さ1mほどの土塁や空堀の一部が残っています。隣接する城山城の存在や、近くにある「宿」という小字名からも、中世にはこの場所が地域における重要な拠点であったと考えられています。

文化財

栄福寺は、貴重な文化財も所蔵しています。千葉県指定文化財である「金銅透彫六角釣燈籠」や「紙本著色千葉妙見大縁起絵巻」は、現在は千葉市立郷土博物館に保管されています。

アクセス

公共交通機関を利用する場合、千葉駅から千葉中央バスに乗り、「坂尾」バス停で下車します。ただし、駐車場は関係者専用となっており、一般利用はできません。

参考文献

• - 『日本城郭大系6 千葉・神奈川』新人物往来社　1980年

関連項目

• - 城山城 (下総国)
• - 城ノ腰城 (下総国)
• - 亥鼻城
• - 臼井城

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