城山城 (下総国)

城山城 (しろやまじょう)

千葉県千葉市若葉区大宮町に位置していた城山城は、その歴史と構造において興味深い特徴を持つ日本の城郭です。

歴史

城山城の地は、かつて坂尾村と呼ばれていました。この地は、千葉常重から賜った坂尾五郎治が開村したと伝えられています。城跡の中心は、五郎治が建立したとされる栄福寺の斜め向かい、千葉東金道路を挟んだ台地上に位置しています。

築城者については、城ノ腰城と同様に板倉筑後守であるという伝承があります。この板倉筑後守は、板倉重直と比定されています。しかし、江戸時代初期にこのような城を築城する必要があった背景については、疑問の声も上がっています。この点については、今後の研究が待たれるところです。

構造

城山城は、千葉東金道路から支川都川の方向へT字型に張り出した地形を巧みに利用して築かれています。縄張りは、南側の直線的な連郭と、それに直角に接する台地上の郭で構成されています。南東部には日枝神社があり、南側の階段から城跡へと入ることができます。

台地は千葉東金道路によって分断されており、その北側には「宿」という小字名が残っています。この場所には、城山城、または隣接する栄福寺館の城下集落があったという説も存在します。しかし、これを裏付ける確固たる史料は発見されていません。

城山城は、支川都川沿いに点在する城ノ腰城、立堀城、平山城といった他の城郭と機能的に連携していた可能性も指摘されています。これらの城々は、相互に補完し合い、地域全体の防衛力を高めていたと考えられます。しかし、この連携を裏付ける具体的な史料は、現在のところ見つかっていません。

アクセス

城山城跡へは、公共交通機関を利用する場合、以下の経路が便利です。

千葉駅から千葉中央バス「星久喜台経由大宮団地」行きに乗車
「川戸」バス停で下車

まとめ

城山城は、その立地や構造、そして歴史的背景において、多くの謎と興味深い側面を持つ城郭です。板倉筑後守による築城という伝承や、周辺の城郭との関連性など、まだ解明されていない部分が多く残されています。今後の研究によって、その全貌が明らかになることが期待されます。

参考文献

平井聖ほか 『日本城郭大系6 千葉・神奈川』新人物往来社、1980年

関連項目

城ノ腰城 (下総国)
栄福寺 (千葉市)
立堀城

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