桂忠詮

桂忠詮は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将で、島津氏の家臣として知られています。

彼の家系は、島津忠国の四男である勝久に遡ります。忠詮の父である忠俊が、永禄2年（1559年）に桂姓を名乗るようになり、忠詮もそれを受け継ぎました。

天正9年（1581年）頃、忠詮は平佐の地頭に任じられます。天正15年（1587年）、豊臣秀吉による九州征伐の際には、大友氏攻略のため豊後国にいましたが、新納忠元らと共に薩摩の平佐城へと帰還しました。しかし、帰城からわずか二日後、豊臣軍が城に押し寄せます。忠詮は、わずか80余名の武士と2、3百名の雑兵と共に籠城し、徹底抗戦の構えを見せました。

4月28日、小西行長、九鬼嘉隆、脇坂安治率いる7千余の豊臣軍が城を包囲し、猛攻を仕掛けました。忠詮は城兵に対し、「矢玉がある限りは防ぎ、尽きたならば刀を手に取り敵に立ち向かい、その名を後世に残せ」と誓わせ、防戦に努めました。辰の刻から申の刻まで続いた激戦で、城兵20余人が犠牲となりましたが、豊臣軍も3百余人の戦死者を出すなど、激しい戦いとなりました。結果、忠詮は城を死守することに成功します。その後、秀吉の使者である大田講代坊が和睦を促したため、翌日、忠詮は小姓2人を人質として差し出し、泰平寺に陣を構える秀吉の元へ出頭しました。この時、忠詮は秀吉から宝寿の短刀を賜っています。

文禄元年（1592年）には、島津義弘に従い文禄・慶長の役に従軍し、朝鮮で6年間戦いました。慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、島津軍の退却戦で活躍し、帰国後、200石の恩賞を授かりました。翌年には、薩摩に逃れていた宇喜多秀家を伏見まで送り届ける警護役も務め、その後、大隅国・高山の地頭となりました。

元和元年（1615年）、大坂の陣に島津家久が2万の兵を率いて出陣する際、川上久国と共に大将を任されました。忠詮は当時病を患っていましたが、それを押し出陣を決意します。しかし、船中で病状が悪化し、帰国を余儀なくされ、高山で病没しました。忠詮の死後、家臣である吉冨太蔵が殉死しています。

桂忠詮は、数々の戦で武功を挙げ、島津家を支え続けた忠義の武将でした。彼の武勇と忠誠心は、後世に語り継がれています。

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