桂文三 (2代目)

2代目 桂 文三（かつら ぶんざ）の生涯と功績

2代目桂文三、1859年に生まれ、1891年5月7日に32歳で逝去した上方落語家である。彼は「提灯屋の文三」としても知られており、その美男子ぶりで多くのファンを魅了した。文三の本名は残されておらず、落語界においてその存在感は久しく語り継がれている。

幼少期と落語家としてのキャリア

文三は淡路町難波橋の角に位置する提灯屋の家に生まれ育った。初めは3代目桂文吾の門下で2代目小文吾という名義を使っていたが、後に2代目桂文枝（後の桂文左衛門）の弟子となり、1884年10月に文枝の前名を襲名し2代目桂文三となった。師匠からの信頼は厚く、襲名披露は淡路町幾代や曽根崎幾代、賑江亭などで行われ、注目を集めた。

その後、2代目林家木鶴の養子となって3代目木鶴を継名するも、名に負う責務の重さから体調を崩し、1888年に再び文三と名乗ることとなった。文三としての名義の時には「還名御披露嘉入尽し 大都会ぶし」という摺物も存在するほど、彼の存在感は揺るぎなかった。

若き日の人気と才能

文三は若くして美男子としての名声を築き、北新地の芸妓との交際が新聞に報じられることもあった。彼に対しては、2代目桂南光（後の桂仁左衛門）や初代桂小文枝（後の3代目桂文枝）と共に「三人兄弟」と称され、特に若手落語家としての期待が寄せられていた。神戸漆亭での活躍がピークで、多くの人にその姿が記憶されている。

文三の話し方は若旦那風で、おっとりとした口調ながらも、その演技は非常に洗練されており、多くの落語ファンに愛された。彼の得意としたネタには『三枚起請』や『菊江仏壇』が挙げられる。

夫婦の関係と影響

文三の妻、おさんは笑福亭鶴八の娘であり、囃子方の名手として知られていた。二人の共演による『立ち切れ線香』は特に評判が良かったと伝えられる。文三の死後、おさんは2代目三遊亭圓馬の妻となり、新たな生活をスタートさせた。

文三は、5代目笑福亭松鶴と親しい関係にあり、松鶴が落語界に入る契機を作ったとも言われている。彼の存在は、後続の落語家たちにも影響を与え、そのスタイルや技術は現在まで受け継がれている。

最期と墓所

文三は短い生涯を経て、1891年に32歳でこの世を去った。その墓所は、大阪の四天王寺（壽法寺）にあり、養父である2代目木鶴と共に眠っている。彼の功績は落語界において今でも敬意を持って語り継がれており、その存在は多くの人々に愛され続けている。

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