桑原虎雄

桑原虎雄（くわばら とらお）

桑原虎雄は1887年10月26日に東京で生まれた日本の海軍軍人で、最終階級は海軍中将に達した。彼は神職の家庭に生まれ、著名な軍人の寺内正毅元帥の甥でもある。

略歴

桑原は東京府立第一中学校を経て、1905年9月に第一高等学校を中退する。その後、1909年11月に海軍兵学校37期を卒業した。彼の軍歴はまさにその後の海軍航空技術の発展に寄与するものであった。

1918年、横須賀において彼は飛行機から魚雷を初めて発射するテストの際、パイロットとして他の同期生とともにその成功を収めた。この試みは日本における航空魚雷の先駆けとなり、後の戦闘技術の発展に大きく貢献した。

1920年6月18日、当時海軍大尉として、桑原は水上機母艦「若宮」から艦上戦闘機のパップを使い、日本で初めての艦上発進に成功し、横須賀海軍航空隊までの距離を飛行した。この成功は、艦載機の運用に新たな可能性を示したことから、日本海軍の航空戦力の強化につながった。

さらに、1922年には戦艦「山城」の2番主砲塔上に設けられた滑走台からの飛行を試み、これも成功を収めた。これらの活動を通じて、架空の部隊や新しい戦術の実証が進められ、航空戦の新しい局面を切り開くことになった。

その後、桑原は「龍驤」艦長や霞ヶ浦海軍航空隊の副長兼教頭、横須賀航空隊司令、そして航空廠飛行実験部長など、数々の重要な役職を歴任した。特に日中戦争（支那事変）では第2・第1連合航空隊の司令官として重慶爆撃に参加し、実戦経験を積んだ。

1941年9月には第3航空戦隊の司令官に就任し、太平洋戦争が始まると、1942年4月、青島方面特別根拠地隊司令官に任命された。彼のリーダーシップのもと、戦略的な航空任務が遂行されたといえる。

1943年から1945年まで、桑原は軍需省新潟軍需管理本部長として戦時の物資管理に携わり、重要な業務の一翼を担った。このような役割を果たす中で、彼の経歴はますます際立ったものとなった。

戦後の1947年11月28日、桑原は公職追放の仮指定を受け、そのキャリアに思わぬ厳しい局面が訪れた。彼の長い軍歴と技術的な業績は、日本の海軍航空技術の発展に多大な影響を与え、後世にわたって語り継がれることとなる。彼の足跡は、航空戦の歴史の中に深く刻まれていると言える。

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