桑山一直

桑山 一直の生涯

桑山 一直（くわやま かずなお）は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて顕著な業績を残した武将であり、また大名としても知られています。彼は大和国の新庄藩の第2代藩主であり、官位は従五位下左衛門佐に任じられていました。桑山家は代々大和新庄藩を治め、大名家としての名声を築いてきました。

生い立ちと初期の経歴

天正6年（1578年）、桑山一重の次男として尾張に生まれた一直は、慶長元年（1596年）に19歳で徳川氏に仕官をしました。彼の軍事的才能は早くから発揮されており、関ヶ原の戦いでは、本多忠勝の陣に所属し、大谷吉継の陣に突入して鉄砲隊の首をとるという素晴らしい功績を果たしました。この結果、彼は感状を受けることになります。

藩主としての姿

一直は慶長9年（1604年）、兄で初代藩主の桑山一晴が子を残さずに亡くなったことにより、養子として藩主の地位を継ぎました。所領は1万6,000石に達し、その後すぐに従五位下左衛門佐に叙任されます。彼の治世の中で、大和国新庄藩は安定した発展を遂げました。

大坂の陣における活躍

慶長19年（1614年）には、大坂冬の陣に参加し、藤堂高虎の軍に加わりました。戦闘においては早々に二つの首を上げ、秀でた武勇が評価され、本多正純や松平正綱からの賛辞を受けました。翌年度の大坂夏の陣では、さらに功績を重ね、豊臣方との激しい戦闘で多くの首級を取る活躍を見せました。特に道明寺・誉田の合戦においては、後藤基次や薄田兼相らの軍勢と戦い、最終的に首級17を挙げ、落城時にも19の首級を挙げています。この活躍によって、戦後に加増移封の約束がなされました。

ドラマチックな運命

しかし、元和2年（1616年）には旗本の別所孫次郎との会談中のトラブルに巻き込まれ、仲裁を試みた結果、負傷してしまいます。このことが災いし、閉門処分を受けたため、加増の約束は遂に果たされることなく終わりました。

晩年と子孫

その後も、元和3年（1617年）には大和国多武峯の造営奉行を務めたり、寛永3年（1626年）には徳川秀忠の上洛に従い、後水尾天皇の二条城行幸に供奉したりと、彼の人生は多忙を極めました。寛永13年（1636年）には59歳で亡くなります。彼の死後、長男の一玄がその後を継ぎました。また、一度は所領の一部を娘の結婚相手に分け与えたことも知られています。

桑山一直の生涯は、戦国の動乱を経て江戸時代初期にかけての武将としての力強い姿を見せてくれました。彼の業績は後世に語り継がれ、武士の理想像として模範とされています。

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