桑山貞晴 (小傳次)

桑山貞晴（くわやま さだはる）は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての武将であり、同時に茶人としても知られています。官位は従五位下左近大夫。同名の甥、桑山加賀守貞晴との混同を避けるため、桑山小傳次あるいは桑山左近大夫とも呼ばれます。茶人として名高い片桐石州は貞晴の門下であり、宗仙という号で茶の道を追求しました。貞晴自身も洞雲という号を用いています。

生涯

桑山貞晴は、桑山重晴の三男として生まれました。初めは豊臣秀長に仕え、大和国内において2,500石の知行を与えられます。秀長の後、秀吉にも仕えました。

文禄元年（1592年）の文禄・慶長の役では、甥である桑山一晴（小藤太、桑山一重の子）と共に参戦。一晴と共に1,000名の水軍を指揮しました。

その後、徳川氏に仕え、慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは東軍に与し、父・重晴が守る和歌山城とは別に、家康の命令を受け、甥の一晴と共に西軍方の堀内氏善が守る新宮城を攻め、戦功を挙げました。

慶長19年（1614年）の大坂の陣でも徳川方として、兄・元晴、甥・一直と共に出陣。藤堂高虎の配下として天王寺口に布陣しました。

元和元年（1615年）の夏の陣では、先鋒の水野勝成に従い、道明寺の戦いにおいて丹羽氏信らと共に薄田兼相の軍勢と交戦し、7つの首級を挙げました。その後も元晴と共に高力忠房に従い、大和国で大坂方の残党を追討しました。

武将としての活動の傍ら、千道安や古田織部から茶の湯を学び、茶人としても才能を発揮しました。宗仙と号し、晩年は千利休の茶風を後世に伝えることに尽力しました。

寛永9年（1632年）7月7日に73歳で死去しました。

参考文献
近藤安太郎『系図研究の基礎知識 : 家系にみる日本の歴史 第3巻 (近世・近代)』近藤出版社、1989年、1822-1823頁。ISBN 477250267X。
堀田正敦『国立国会図書館デジタルコレクション 寛政重脩諸家譜. 第6輯』國民圖書、1923年、174頁。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1082716/96 国立国会図書館デジタルコレクション。 
高柳光寿; 松平年一『戦国人名辞典』（増訂版）吉川弘文館、1981年、96頁。 

関連項目
石州流

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