梅小路公園

京都市の下京区、観喜寺町や梅小路頭町などにまたがる広大な敷地を持つ梅小路公園は、京都市が管理運営を行う都市公園（総合公園）です。公園の運営管理は、指定管理者である公益財団法人京都市都市緑化協会によって行われています。

この公園の歴史は、平成2年（1990年）に日本貨物鉄道（JR貨物）の梅小路駅（現在の京都貨物駅）が移転した跡地に始まります。平安遷都1200年を記念する事業の一つとして計画され、広大な空き地を活用した総合公園として整備が進められました。そして、平成7年（1995年）4月29日に開園し、以来、多くの人々に利用されています。

園内には、広々とした芝生広場や中央広場を中心に、自然を感じられる「いのちの森」、美しい景観が魅力の「朱雀の庭」、「緑の館」といった様々なコンセプトを持つエリアが設けられています。また、子供たちが楽しめる大型遊具やオープンカフェを備えた「すざくゆめ広場」や、歴史ある京都市電の車両を展示する「市電ひろば」などもあり、多様なニーズに応える施設が充実しています。

梅小路公園は、その広大な敷地を生かして、様々な大規模イベントの会場としても活用されてきました。過去には、全国都市緑化フェアやサーカス、音楽イベントである京都音楽博覧会などが開催され、多くの来場者で賑わいます。

公園の特色の一つに、保存運転されている京都市電があります。土曜日、日曜日、祝日には、「すざくゆめ広場」と「市電ひろば」の間を結ぶ短い区間を、明治時代に製造された古い京都市電の車両がゆっくりと走ります。「チンチン電車」の愛称で親しまれているこの保存運転は、訪れる人々に懐かしい雰囲気を提供しています。

梅小路公園周辺は、近年、京都を代表する観光・レジャーエリアとして大きく発展しました。公園の北東側には、内陸型としては珍しい「京都水族館」があり、様々な海の生き物たちに出会うことができます。また、公園の西側、JR山陰本線（嵯峨野線）を挟んだ向かい側には、「京都鉄道博物館」があります。ここは、かつて「梅小路蒸気機関車館」として知られていた場所が拡張・リニューアルされたもので、多くの貴重な鉄道車両が展示されています。これらの施設は、公園と一体となって梅小路エリア全体の魅力を高めています。

周辺の再整備は、2008年頃からの動きがきっかけとなりました。水族館や鉄道博物館の建設提案を受け、京都市は公園を含めた一帯の再整備計画を進めました。その結果、2012年3月14日に京都水族館が、2016年4月29日には京都鉄道博物館がそれぞれオープンしました。公園内でも、2014年3月8日には「すざくゆめ広場」と「市電ひろば」が開設され、さらに2019年12月1日には、七条入口広場東側に、冬期には屋外スケートリンクも楽しめる多目的施設「ビバスクエア京都」が開業するなど、継続的な魅力向上が図られています。

ちなみに、公園の敷地南部は、かつて平安時代に平清盛が壮麗な邸宅「西八条第」を構えた場所であったと伝えられています。

梅小路公園へのアクセスは非常に便利です。

鉄道
JR各線、近鉄京都線、京都市営地下鉄烏丸線の「京都駅」からは西へ徒歩約15分です。
JR嵯峨野線の「梅小路京都西駅」からは南へ徒歩約4分と、公園に最も近い駅です。
路線バス
「七条大宮・京都水族館前」バス停から徒歩約2分です。
「梅小路公園前」バス停や「梅小路公園・JR梅小路京都西駅前」バス停からはすぐの場所に位置しています。

京都駅から比較的近く、多様な施設が集まる梅小路公園は、歴史を感じさせつつも現代的なレジャーを楽しめる、京都の新しい顔の一つと言えるでしょう。

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