梅錦寅之介

梅錦 寅之助（うめにしき とらのすけ）

生涯

梅錦寅之助は、1926年5月20日に青森県北津軽郡梅沢村（現在の鶴田町）で生まれました。本名は鈴木寅之助です。1942年に上京し、元前頭の八甲山が率いる高嶋部屋に入門しました。同年1月場所に初土俵を踏み、同年5月には故郷の地名にちなんだ「梅錦」の四股名で序ノ口に上がりました。

順調に出世を重ね、1947年6月場所には十両に昇進し、その勢いを保ち続け、翌1948年10月場所で新入幕を果たしました。当時の体格は171cm、86kgと小柄でしたが、左四つからの鋭い突き押しを得意としていました。しかし、幕内では苦戦を強いられ、勝ち越すことができず、わずか2場所で十両に降下しました。

1950年以降は病気に悩まされるようになり、休場も増えました。そして、1951年9月場所後、西幕下29枚目まで番付を下げた状態で、25歳という若さで現役を引退しました。

引退後は故郷の青森に戻り、尾夫鉱山で働きましたが、オイルショックの影響で退職しました。その後は東京ゴムに勤務したとされています。
1977年4月22日、病気のため50歳で亡くなりました。

相撲のスタイルと特徴

梅錦は、小柄な体格ながらも、左四つからの力強い突き押しを武器とする力士でした。その相撲は、観客を魅了しましたが、幕内ではそのスタイルが通用せず、苦戦を強いられました。

エピソード

幕下に落ち、寿々木と改名後の1951年1月場所2日目、松ノ音との取組で、松ノ音の前袋が外れるというアクシデントがありました。本来であれば、行司は寿々木の反則勝ちとすべきところでしたが、軍配を上げず、取り直しとなりました。取り直しでは松ノ音が勝ち、寿々木は敗れました。この判定に対して、寿々木は不満を持っていたと伝えられています。

主な成績

通算成績：92勝84敗59休、勝率.523
幕内成績：9勝15敗、勝率.375
現役在位：22場所
幕内在位：2場所
各段優勝：序ノ口優勝1回（1942年5月場所）

改名歴

梅錦 寅之助（うめにしき とらのすけ、1942年5月場所-1950年9月場所）
寿々木（すずき、1951年1月場所-同年9月場所）

参考文献

佐竹義惇著『戦後新入幕力士物語 第1巻』ベースボール・マガジン社、1990年

関連項目

* 大相撲力士一覧

もう一度検索