梨本伊都子

梨本 伊都子の生涯

梨本伊都子（なしもと いつこ）、1882年2月2日生まれ、1976年8月19日没は、日本の旧[[皇族]]であり、梨本宮守正王の妃として知られています。彼女は、鍋島直大侯爵の令嬢としてローマで生を受け、後に日本へ帰国してから皇族の一員としての生活を送ります。旧名は鍋島伊都子であり、結婚後は守正王妃伊都子（梨本宮妃伊都子）と称されました。お印には桂が用いられ、王妃として敬称は「殿下」です。

経歴

伊都子は明治21年、華族女学校に入学し、その後、守正王との婚約を経て明治33年に結婚しました。この際に皇后から宝冠や貴重な宝石類が贈られるなど、皇族としての特別な扱いを受けます。家庭においては、彼女は看護教育を受け、看護学修業証書を取得し、日露戦争では傷痍軍人の慰問活動を行うなど、社会活動にも力を入れていました。

戦争の影響と皇籍離脱

日本が太平洋戦争に突入すると、伊都子も戦争の影響を受け、慰問活動を活発に行いましたが、戦局が悪化するにつれ、彼女の心情も変わっていきます。最終的に1945年の日本の敗戦を受けて、彼女は大きなショックを受けます。敗戦後、伊都子は1947年に皇籍を離脱し、「梨本伊都子」として新しい生活を始めることになります。

晩年と遺産

皇籍を離脱した後も、彼女は旧[[皇族]]としての矜持を持ち続け、社会活動を続けました。しかし、巨額の財産税納付のため、生活は決して楽ではなく、さまざまな資産を売却せざるを得なくなりました。1958年には、皇太子明仁親王と正田美智子の婚約に対して強い反発を示したことが記録されています。しかし、昭和天皇の理解を得てからは、批判を控えるようになりました。

人物像と著作

伊都子は非常に筆まめで、1899年から1976年までの日記をつけ続け、この記録を基に自伝『三代の天皇と私』を出版しました。身長が151cmと低かったため、一時は悩みの種にしていたようです。歌舞伎好きでも知られ、太平洋戦争中には特に興味を持って観賞を続けました。

1976年8月19日、乳癌手術の影響で彼女は94歳で亡くなりました。梨本家の祭祀は養子の梨本徳彦によって引き継がれました。

栄典

• - 1900年 勲二等宝冠章
• - 1906年 明治三十七八年従軍記章
• - 1910年 勲一等宝冠章
• - 1940年 紀元二千六百年祝典記念章

伊都子は日々一生懸命に生き、戦争という荒波を乗り越えた一人であり、多くの社会的な活動を通じて日本の歴史の一端を担いました。その生涯は、旧[[皇族]]としての声や、当時の日本の社会情勢を反映する貴重な記録として今日でも重要とされています。

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