森本あんり

森本あんり

森本あんり（もりもと あんり、1956年10月19日 - ）は、日本の著名な神学者、牧師であり、国際基督教大学の名誉教授です。2022年4月1日からは、東京女子大学の第17代学長として、教育界でも重要な役割を担っています。その専門分野は、アメリカのキリスト教史、神学、そして宗教と社会の関わりに及び、これらの分野で多くの研究成果を発表しています。

生い立ちと教育

神奈川県で生まれ、父親は画家・グラフィックデザイナーでした。東京都立小石川高等学校を経て、1979年に国際基督教大学人文科学科を卒業。その後、東京神学大学大学院に進み、1982年に組織神学修士課程を修了しました。さらに、アメリカ合衆国のプリンストン神学大学院で研究を深め、1991年に組織神学の博士号（Ph.D）を取得しました。

牧師としての活動と研究

1982年から1986年まで、日本基督教団松山城東教会の牧師を務めました。その後、国際基督教大学に戻り、1991年に牧師、1997年に準教授、2001年に教授に就任しました。2012年から2020年までは同学の学務副学長も務め、大学運営にも貢献しました。

学長としての活躍

2022年4月1日、東京女子大学の第17代学長に就任しました。任期は4年間で、女子大学のリーダーとして、その手腕が期待されています。

受賞歴と客員教授

1996年には、『ジョナサン・エドワーズ研究』で第1回アメリカ学会・清水博賞を受賞しました。また、2002年以降は、プリンストン大学やカリフォルニア大学バークレー校で客員教授を務め、国際的な研究活動も展開しています。

人物像と交友関係

作家の小田嶋隆氏とは小中高の同級生であり、親しい友人でした。

著書

森本あんり氏は、多数の著書を発表しており、その研究テーマは多岐にわたります。主な著書には以下のようなものがあります。

『使徒信条 エキュメニカルなシンボルをめぐる神学黙想』(1995年)
『ジョナサン・エドワーズ研究 アメリカ・ピューリタニズムの存在論と救済論』(1995年)
『現代に語りかけるキリスト教』(1998年)
『アジア神学講義 グローバル化するコンテクストの神学』(2004年)
『アメリカ・キリスト教史 理念によって建てられた国の軌跡』(2006年)
『キリスト教でたどるアメリカ史』(2019年、改題、加筆・修正版)
『アメリカ的理念の身体 寛容と良心・政教分離・信教の自由をめぐる歴史的実験の軌跡』(2012年)
『反知性主義 アメリカが生んだ「熱病」の正体』(2015年)
『宗教国家アメリカのふしぎな論理』(2017年)
『異端の時代 正統のかたちを求めて』(2018年)
『不寛容論　アメリカが生んだ「共存」の哲学』(2020年)
『教養を深める 人間の「芯」のつくり方 』(2024年)

共著・編著

『神学とキリスト教学 その今日的な可能性を問う』(2009年)
『人間に固有なものとは何か 人文科学をめぐる連続講演』(2011年)

翻訳

森本氏は翻訳家としても活躍しており、以下のような書籍を手がけています。

H.ミューラー『福音主義神学概説』(1987年)
G.デコスタ編『キリスト教は他宗教をどう考えるか ポスト多元主義の宗教と神学』(1997年)
ジェフリー・S.サイカー編『キリスト教は同性愛を受け入れられるか』(2002年)
エミール・ブルンナー『出会いとしての真理』(2006年)
ピーター・L.バーガー『現代人はキリスト教を信じられるか 懐疑と信仰のはざまで』(2009年)
J.P.バード『はじめてのジョナサン・エドワーズ』(2011年)

論文

Ciniiで多数の論文が公開されています。

外部リンク

森本あんり 公式サイト
森本 あんり - researchmap

森本あんり氏は、神学、キリスト教史、教育など、幅広い分野で活躍する知識人であり、その知見と活動は、多くの人々に影響を与えています。

もう一度検索