森浅間神社

森浅間神社

森浅間神社は、神奈川県横浜市磯子区森に鎮座する神社です。かつて森村の鎮守として崇敬を集め、急峻な斜面の頂に位置しています。神社の背後には汐見台団地が広がり、周辺地域の人々の心の拠り所となっています。

由緒

神社の創建は、鎌倉幕府が房総半島へ渡る海路の要所であった森村に陣屋を設けた際に、海を一望できる「我沙羅山」山頂に富士山の神霊を祀ったことに始まると伝えられています。

鎌倉幕府最後の将軍である守邦親王が鎌倉を脱出して森村へ移り住んだ際、1335年（建武2年）に薬師如来を神社の本地仏として安置したという説もあり、これが創建の起源とする見方もあります。古くは「親王権現」と称され、江戸時代に富士講が盛んになると、富士山と同様に三方向から登山路が設けられ、「武州小富士」として人々に親しまれました。

1908年（明治41年）には、周辺の10社が合祀され、1913年（大正2年）には神饌幣帛料供進社に指定されました。これらの歴史を経て、現在の森浅間神社に至ります。

祭神

森浅間神社には、以下の祭神が祀られています。

木花咲耶姫命（コノハナサクヤヒメノミコト）
源頼朝（ミナモトノヨリトモ）
素盞嗚命（スサノオノミコト）
天照大神（アマテラスオオミカミ）
倉稲魂命（ウカノミタマノミコト）
火産霊命（ホムスビノミコト）
国之常立神（クニノトコタチノカミ）

これらの神々は、それぞれ異なる神徳を持ち、地域の人々の生活や信仰を支えています。

境内

神社の正面には、南参道が設けられており、屏風ヶ浦バイパスの下をくぐり、約200段の階段を上る必要があります。この参道は「潮汲坂」とも呼ばれています。急斜面を含む境内は11,874m2に及び、スダジイを中心とした広葉樹林が広がっています。

また、神社に隣接して朝日不動滝がありましたが、現在は水量が減少し、閉鎖されています。かつては修験の場として利用されていた歴史があります。

祭事・年中行事

森浅間神社では、年間を通して様々な祭事や行事が執り行われています。

元旦祭：1月1日に行われる式典。参拝者には甘酒が振る舞われます。
節分祭：2月に行われる祭事。
花祭り：4月に行われる祭事。
影祭り：6月に行われる祭事。
森浅間神社例大祭：8月14日・15日に開催される夏祭り。神輿、男山車（神武天皇の人形山車）、女山車（神功皇后の人形山車）が出ます。神田囃子が奉納されます。
新嘗祭：11月23日に行われる秋祭り。

これらの祭事は、地域の伝統文化を継承し、地域住民の交流を深める役割を果たしています。

文化財

森浅間神社は、その歴史と文化的な価値から、以下の文化財を有しています。

森浅間神社とその周辺の樹叢：境内の樹叢は、1994年（平成6年）2月15日に神奈川県の天然記念物に指定されています。
森浅間神社神田囃子：例大祭で奉納される祭囃子です。慶応から明治初期にかけて「笛菊」と呼ばれた笛の名手・金子菊次郎によって、森公田村（現在の森地域）に伝えられました。囃子自体は指定文化財ではありませんが、この囃子を継承する「森浅間神社神田囃子森保存会」は、1979年（昭和54年）に横浜市により無形民俗文化財の保存団体に認定されています。

これらの文化財は、地域の人々によって大切に守り伝えられています。

所在地・交通

所在地：神奈川県横浜市磯子区森二丁目16番7号
交通：
JR根岸線磯子駅下車、徒歩約20分
* 京急本線屏風浦駅下車、徒歩約20分

まとめ

森浅間神社は、歴史と自然に彩られた神社であり、地域の人々にとって大切な存在です。その美しい景観と豊かな文化は、訪れる人々を魅了し続けています。

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