棲霞寺

棲霞寺（せいかじ）

棲霞寺は、中華人民共和国江蘇省南京市棲霞区に位置する仏教寺院です。南京駅から路線バスで約1時間の距離にある棲霞山の西麓に佇んでいます。その歴史は古く、1500年以上の時を経て、南京最大規模の寺院として知られています。

歴史

棲霞寺の創建は、南朝斉の永明2年（484年）に遡ります。処士の明僧紹が自らの居所を改築し、棲霞精舎を開いたのが始まりとされています。隋から唐初にかけては、僧朗・僧詮・吉蔵らの三論宗の衆徒がこの地を拠点とし、教勢を拡大しました。慧布は棲霞寺の禅堂を造営し、唐の高祖李淵は寺名を功徳寺と改めました。

明の洪武25年（1392年）に寺名は棲霞寺に戻されましたが、清の咸豊5年（1855年）に棲霞山一帯が戦火に見舞われ、焼失してしまいます。その後、光緒34年（1908年）に再建され、現在に至ります。清の時代には、乾隆帝が「第一金陵名秀山」と称賛したことでも知られています。

境内

棲霞寺の境内には、三門、天王殿、毘盧殿といった主要な建造物のほか、石造の無量殿（大仏閣、三聖殿）、磨崖の千仏龕石窟などがあります。無量殿の近くの高台には、仁寿舎利塔がそびえ立っています。この塔は隋の仁寿元年（601年）に建てられたものですが、五代十国時代の南唐に重修されています。

秋になると、境内は美しい紅葉に彩られます。「棲霞紅葉」は南京の有名な風景の一つであり、「春牛首、秋棲霞」とも称されるほどです。周辺地域には、六朝時代の陵墓や石刻が点在しています。また、1937年の南京事件の際には、約2万人の難民が棲霞寺に避難したとされています。この出来事を題材にした映画『棲霞寺1937』が2005年に公開され、話題を呼びました。

交通アクセス

南京地下鉄
■6号線
棲霞山駅

外部リンク

棲霞寺公式HP（簡体字中国語GB2312）
* 中国江蘇網（簡体字中国語GB2312）棲霞寺1937特集ページ

棲霞寺は、その長い歴史と美しい景観から、南京を代表する寺院として、多くの人々に親しまれています。

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