楊欣

楊欣（ようきん）について

楊欣は、中国の三国時代から西晋時代にかけて活躍した武将であり、その生涯は戦闘と政略に満ちたものでした。彼は涼州の天水郡で生まれ、魏と西晋の両方に仕官しました。

生涯の始まり

景元4年（263年）、楊欣は金城太守としての職務に就いており、鄧艾の指揮下で蜀漢への征討に参加しました。この戦役では、彼は姜維の軍隊を包囲する役割を担い、甘松の地域で羌族の兵を動員して功績を上げました。結果として、彼の部隊は封爵される栄誉を受け、蜀漢の滅亡に寄与しました。

益州への転任とその後

蜀が滅亡した後の咸熙元年（264年）、楊欣は益州の犍為太守に任命され、さらに泰始6年（270年）には巴東監軍の地位を引き継ぎました。その後、泰始8年（272年）には涼州刺史として任命されます。この間、彼は私生活で娶った妻についての事件に直面しました。彼の姉の死により喪に服している間、部下の韓預が無理やり彼の娘を妻にしたことから、楊欣は当時の行政権の乱れに立ち向かう必要がありました。

政略と戦闘

また、敦煌郡の功曹である宋質が独自に令狐豊を太守に任命した際、楊欣はこれを攻撃しましたが、逆に撃退されてしまいます。咸寧2年（276年）には令狐豊が亡くなり、後任の令狐宏に対しても攻撃を仕掛け、遂に彼を斬ることに成功しました。このように、楊欣は権力と影響力を保つために常に戦い続けたことがわかります。

最期の戦い

咸寧4年（278年）の6月、楊欣は司馬駿がいない隙を突いて、若羅抜能率いる鮮卑と交戦します。しかし、彼は敗北し、戦死してしまいます。この段階で、彼の行動を予測した司馬督は「楊欣は羌戎との関係を失っているので、必ず敗れるだろう」と言明していました。

三国志演義での描写

小説『三国志演義』では、楊欣はその軍事的活躍が描かれており、特に第116回に登場します。彼は蜀への征討にも参加しており、甘松の蜀軍の陣地を襲撃しますが、姜維が駆けつけると怖じ気づいて逃げる描写があります。更に彊川での一騎討ちでも、姜維を追い詰めるも、結局逃げ去る場面が描かれ、彼の武勇もあまり成功したものではないことが示されています。

彼の最後は悲劇的であり、武将としての名声とは裏腹に、彼が直面した激しい競争と運命に翻弄され続けたことを表しています。楊欣の功績と失敗は、三国志時代の有名な武将たちが直面した様々な困難を象徴しているとも言えるでしょう。

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