楊華 (南北朝)

楊華（よう か）

楊華（生没年不詳）は、中国南北朝時代の軍人。本貫は武都郡仇池県。

生涯

楊華は、父である楊大眼の後を継ぎ、若くしてその勇猛さと力量を発揮しました。その容姿も雄偉であったと伝えられています。北魏の霊太后は彼を深く寵愛し、関係を持ったとされています。

しかし、楊華は禍が及ぶことを恐れ、父の死後、その部曲を率いて南朝梁に降伏しました。霊太后は彼のことを忘れられず、「楊白華歌辞」を作らせて宮人に歌わせたと伝えられています。

梁に帰順後、楊華は数々の戦に従軍し、その功績により太僕卿・太子左衛率を歴任し、益陽県侯に封じられました。

その後、宣城郡内史となります。太清2年（548年）に侯景が建康を包囲すると、楊華は子の楊雄に宣城郡の兵を率いさせて建康の援軍として派遣しました。

太清3年（549年）5月、侯景の配下である来亮が宛陵に侵攻すると、楊華は計略を用いて来亮を誘い出し、これを斬り捨てました。大宝2年（550年）2月には、進軍して安呉に拠点を構えます。侯景の部下である于子悦が安呉を攻撃しますが、これを撃退しました。

しかし、同年11月、侯景自身が兵を率いて宣城に攻め込んできました。楊華は奮戦しましたが、衆寡敵せず、ついに降伏しました。侯景は楊華が北方出身であったことから、特例として彼の命を助け、左民尚書に任じました。しかし、楊華の兄の子である楊彬を処刑し、来亮の仇を討ちました。その後、楊華は侯景の反乱軍の中で死去しました。

人物

楊華は、勇猛果敢な武将であるとともに、機略にも長けた人物でした。霊太后との関係や、侯景の乱での活躍など、波乱に満ちた生涯を送りました。

脚注

『梁書』巻39 列伝第33
『南史』巻63 列伝第53

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