楠河村

楠河村の概要

楠河村（くすかわむら）は、愛媛県東予地方、かつての桑村郡（後に周桑郡）に存在した村です。1955年（昭和30年）に、三芳村、庄内村との合併により三芳町となり、その歴史を閉じました。三芳町はその後、壬生川町との合併を経て東予町、さらに市制を施行して東予市となり、最終的には平成の大合併により西条市の一部となりました。この変遷の中で、楠河村の名前は行政区画としては消滅しましたが、その地名は現在も西条市の一部として使われています。

地理

楠河村は、周桑平野（道前平野）の北西端に位置し、北川の下流左岸に広がっていました。東側は燧灘（瀬戸内海）に面しており、海に開けた地形が特徴です。この地理的な特徴は、漁業などの産業に影響を与えました。

河川

村内には、北川が流れています。この川は、農業用水や生活用水として重要な役割を果たしていました。

村名の由来

楠河村の名前は、合併前の旧村である楠（くす）と河原津（かわらづ）から一文字ずつ取って合成されたものです。この地名からも、村の歴史的な背景を読み取ることができます。

歴史

中世以前

楠河村の地域には、城跡が残っており、中世以前から軍事上の要衝であったと考えられています。この地域が戦略的に重要な場所であったことを示唆しています。

近世

近世には、松山藩の領地でしたが、1765年に楠と河原津を含む9か村が幕府領となりました。これは、幕府による直接支配が行われたことを示しています。

明治以降

1948年（昭和23年）には、国営燧灘干拓事業計画が策定され、楠河1区干拓事業が開始されました。この干拓事業は、楠河村が三芳町となる以降に完成しています。これにより、新たな土地が生まれ、地域の発展に寄与しました。

村の沿革

1889年 12月15日 - 町村制が施行され、桑村郡の楠村と河原津村が合併し、楠河村として発足。役場は、大字楠に設置されました。
1897年（明治30年）4月 - 桑村郡が周敷郡と合併し、周桑郡となりました。
1955年 1月1日 - 三芳村、庄内村と合併し、町制を施行して三芳町となり、楠河村は自治体としては消滅しました。

楠河村の系譜

楠河村は、複数の町村合併を経て、現在の西条市に至ります。その系譜は以下の通りです。

（町村制実施以前の村）　（明治期）　　　　　（昭和の合併）　　　　　　　　　　（平成の合併）
　　　　　　　　　　　　町村制施行時

　　　　　　　　　　三芳村━━━━┓ 昭和30年1月1日
　　　　　　　　　　　　　　　　　┃　合併・
楠　　━━━━┓　　　　　　　　　┃　町制施行
　　　　　　　┣━━楠河村━━━━╋━━三芳町━━━━━┓
河原津━━━━┛　　　　　　　　　┃　　　　　　　　　　┃昭和46年1月1日　昭和47年10月1日
　　　　　　　　　　庄内村━━━━┛　　　　　　　　　　┃　合併　　　　　　市制施行
　　　　　　　　　　　　　　　あ　　　い　　　う　　　　┣東予町━━━東予市━┓
　　　　　　　　　　壬生川村━壬生川町┳━┳━━━━━━┛　　　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　多賀村━━━━━━┛　┃　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　吉井村━━━━━━━━┫　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　周布村━━━━━━━━┫　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　国安村━━━━━━━━┫　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　吉岡村━━━━━━━━┛　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃平成16年11月1日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃新設合併、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃新・西条市発足
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　西条市━━━━╋━━西条市
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丹原町━━━━┫
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小松町━━━━┛

地域

楠河村は、合併時に存在した楠と河原津の2つの旧村がそのまま大字となり、三芳町、東予町、東予市へと引き継がれました。現在では、西条市の一部として、旧大字名がそのまま使われています。例として、「西条市楠」のように表記されます。

産業

楠河村は燧灘に面しているため、漁業が盛んでした。明治時代には、河原津に漁港が建設され、漁業の中心地として栄えました。漁業は地域の重要な産業の一つでした。

交通

国鉄予讃線が村内を南北に縦貫していますが、村内に鉄道駅はありませんでした。最寄りの駅は、伊予三芳駅です。鉄道は、人々の移動や物資の輸送に重要な役割を果たしました。

名所

楠河村には、以下の名所があります。

世田城跡
永納山城跡

これらの城跡は、地域の歴史を物語る貴重な遺産です。

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