極楽寺 (山武市)

極楽寺

概要

極楽寺は、千葉県山武市蓮沼中根に位置する浄土宗鎮西義の寺院です。山号を中根山、院号を光宗院と称し、本尊には阿弥陀如来を祀っています。この寺は、1257年（正嘉元年）に記主禅師然阿良忠上人によって開山されました。開基には、上総広常の孫である光宗が深く関わっています。

開創の歴史

1184年（寿永2年）、上総広常が粛清された際、その孫である光宗は家老の油井隼人兼房と27人の従者とともにこの地に逃れ、海岸沿いの小島に仮住まいを設けました。その後、湿地帯を開拓し、50年以上の歳月を経て集落を形成するに至り、光宗は石橋丹後守と名乗りました。そんな折、光宗は浄土宗の僧侶である然阿良忠が布教活動をしていることを知り、霊夢を感じて彼を迎え入れました。良忠が17日間にわたる説法を行った際、傍らの蓮沼池の蓮の花が満開となり、その様子がまるで極楽浄土のようであったことから、寺は「極楽寺」と名付けられ、この地は「蓮沼」と呼ばれるようになったと伝えられています。

末寺と地域の宗教事情

山武市では天台宗や真言宗の寺院が多い中、蓮沼地区には浄土宗の寺院が集中しています。明治時代まで、極楽寺の末寺として蓮光寺、蓮花寺、薬王寺、超勝寺、稱名寺、清浄院、東光院などが存在しました。現在では、蓮沼南の蓮光寺と蓮沼殿台の蓮花寺が現存しています。1259年（正元元年）には、良忠が外護者であった椎名八郎胤光と対立し、匝瑳南条荘を去ったため、多くの浄土宗寺院が真言宗などに改宗しましたが、蓮沼地区の寺院は浄土宗のまま残り、他の宗派の寺院が存在しないため「一円浄土」と呼ばれています。

境内

極楽寺の境内は、かつて大区小区制のもとで扱所の庁舎として使用され、その後、戸長役場や村役場として利用されました。さらに、補修学校が設置された時期もあり、現在は蓮沼保育園が置かれています。

アクセス

自動車

首都圏中央連絡自動車道松尾横芝ICから芝山はにわ道を経由し、約10キロメートル。

公共交通機関

成田国際空港第2ターミナルまたはJR総武本線松尾駅から空港シャトルバスに乗り、「蓮沼出張所・オライはすぬま前」で下車後、徒歩約3分です。

脚注

注釈

特になし

出典

平凡社地方資料センター『千葉県の地名』（オンデマンド版）平凡社〈日本歴史地名大系〉、2003年。ISBN 4582910319。NCID BA69222670。
千葉県山武郡教育会『山武郡郷土誌』臨川書店〈千葉県郷土誌叢刊 復刻版〉、1987年。ISBN 4653015821。NCID BN07618018。

外部リンク

* 中根山 光宗院 極樂寺 蓮沼極楽寺 - 宗教法人 極樂寺

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