標準FM放送

韓国の標準FM放送について

標準FM放送（SFM）は、韓国で実施されている放送方式で、既存の中波放送（AM）の番組をFMで再送信するものです。これは、日本のFM補完中継局に相当するもので、都市化が進む大都市圏におけるAM放送の難聴対策を主な目的として導入されました。

標準FM放送の背景

都市部では、高層建築物や電波干渉の影響でAM放送の受信が困難になるケースが増加していました。そこで、よりクリアな音質で安定した受信が可能なFM放送でAM番組を再送信することで、リスナーの満足度向上を目指しました。標準FM放送は、音質の向上だけでなく、難聴問題の改善にも大きく貢献し、都市部においてはAM放送の代替手段として広く利用されています。しかし、山間地域などでは、AM放送の方が受信状態が良い場合もあり、地域によって状況は異なります。

標準FM放送の普及とAM放送の現状

1980年代から、KBS（韓国放送公社）やMBC（文化放送）をはじめとする多くの放送局が標準FM放送を開始しました。当初は、AM放送と並行して標準FM放送を実施していましたが、AM放送の聴取者減少や設備の老朽化が深刻化するにつれて、AM放送の廃止が進められるようになりました。2021年11月以降、KBSワールドラジオなど一部の国外向け放送を除き、多くの放送局でAM放送が順次休止、または停波されています。

標準FM放送を実施している主な放送局

以下に、韓国の各地域で標準FM放送を実施している主な放送局を一覧で示します。

首都圏

KBS第1ラジオ
KBS第2ラジオ
KBS第3ラジオ
MBC標準FM
SBS LOVE FM
CBS標準FM
FEBCソウル極東放送

江原道

KBS春川放送総局
KBS春川第1ラジオ
KBS春川第2ラジオ
KBS江陵放送局
KBS江陵第1ラジオ
KBS江陵第3ラジオ
KBS原州放送局
KBS原州第1ラジオ
春川MBC標準FM
原州MBC標準FM
江陵MBC標準FM
MBC江原嶺東三陟標準FM
江原CBS標準FM
江原嶺東CBS標準FM

大田・忠清道

KBS大田放送総局
KBS大田第1ラジオ
KBS大田第2ラジオ
KBS清州放送総局
KBS清州第1ラジオ
KBS清州第2ラジオ
KBS忠州放送局
KBS忠州第1ラジオ
大田MBC標準FM
忠北MBC標準FM
大田CBS標準FM
清州CBS標準FM

光州・全羅道

KBS光州放送総局
KBS光州第1ラジオ
KBS光州第2ラジオ
KBS光州第3ラジオ
KBS全州放送総局
KBS全州第1ラジオ
KBS全州第2ラジオ
KBS全州第3ラジオ
KBS順天放送局
KBS順天第1ラジオ
KBS順天第3ラジオ
KBS木浦放送局
KBS木浦第1ラジオ
全州MBC標準FM
光州MBC標準FM
木浦MBC標準FM
麗水MBC標準FM
光州CBS標準FM
全北CBS標準FM
全南CBS標準FM

大邱・慶北道

KBS大邱放送総局
KBS大邱第1ラジオ
KBS大邱第2ラジオ
KBS浦項放送局
KBS浦項第1ラジオ
KBS安東放送局
KBS安東第1ラジオ
大邱MBC標準FM
浦項MBC標準FM
安東MBC標準FM
大邱CBS標準FM
浦項CBS標準FM

釜山・慶南・蔚山

KBS釜山放送総局
KBS釜山第1ラジオ
KBS釜山第2ラジオ
KBS蔚山放送局
KBS蔚山第1ラジオ
KBS昌原放送総局
KBS昌原第1ラジオ
KBS昌原第2ラジオ
KBS昌原第3ラジオ
KBS晋州放送局
KBS晋州第1ラジオ
釜山MBC標準FM
蔚山MBC標準FM
MBC慶南昌原標準FM
MBC慶南晋州標準FM
KNN LOVE FM（SBS LOVE FM）
釜山CBS標準FM
蔚山CBS標準FM
慶南CBS標準FM

済州道

KBS済州放送総局
KBS済州第1ラジオ
KBS済州第2ラジオ
済州MBC標準FM
済州CBS標準FM
FEBC済州極東放送

AM放送の停止・廃止の動き

韓国では、AM放送を廃止する動きが加速しています。大邱文化放送は、既にAM放送を廃止し、FM放送に一本化しました。また、釜山文化放送、麗水文化放送、ソウル本部の韓国文化放送もAM放送を休止し、廃止する予定です。ソウル放送もAM放送を廃止する予定で、FM放送への統合を進めています。

放送局は、AM放送の音質や受信環境の問題を改善し、より良いサービスを提供するため、FM放送への移行を進めています。今後も、多くの放送局でAM放送の廃止が進むと予想されます。

今後の展望

KBSも、KBSワールドラジオなどの国外向け放送を除き、将来的にはAM放送を廃止する方向で検討を進めています。これにより、韓国のラジオ放送はFM放送が中心となり、よりクリアな音質でラジオを楽しむことができるようになるでしょう。しかし、AM放送を継続している地域や、AM放送に慣れ親しんだリスナーへの配慮も必要となるでしょう。

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