横山八幡宮

横山八幡宮について

横山八幡宮（よこやまはちまんぐう）は、岩手県宮古市に位置する神社であり、古くからこの地域の信仰の中心となっています。この神社の旧社格は郷社で、盛岡八幡宮とともに旧盛岡藩領を代表する八幡宮の一つとして知られています。

創建の歴史

横山八幡宮の創建は、社伝によると白鳳9年、つまり680年にさかのぼると考えられています。この神社の名前の由来となる「横山」は、閉伊川の上流部から流されてきた山のことを指しています。

鹿子踊りの起源

横山八幡宮には小沢「鹿子踊り」の起源についても伝説があります。和銅年間（708年-715年）に、猿丸太夫という人物がこの地に遠流され、宮守としての役目を果たしました。彼はここで「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき」という和歌を詠み、その住居は「猿丸屋敷」と呼ばれました。

地名の由来

また、地名「宮古」の由来については、寛弘3年（1006年）の出来事に関係しています。この年、阿波の鳴門で天変地異が発生し、帝が鎮めるために祈祷を行うように命じました。その中で、当宮の禰宜は神歌を受け取り、それを阿波の鳴門に持参し、平和を取り戻すために力を尽くしたと言われています。

江戸時代の再興

白鳳9年に創建された横山八幡宮ですが、火災により多くの資料が失われたため、詳細なことは不明です。しかし、中世には豪族の城館が存在していたとの言い伝えがあり、千徳氏によって社殿の修築などの保護が行われていました。江戸時代中期の延享年間には、土地の人々が中心となって再興運動が起こり、京都の吉田家に働きかけて社格の向上を目指しました。

その後、盛岡藩主である南部利視により祭礼の方式や日時が定められ、神輿が宮古湾を巡る海上渡御祭もこの時期に始まったとされています。宝暦年間には、江戸の学者井上蘭台が『重修横山八幡宮記』を著し、義経北行伝説などの基となったという歴史が記されています。

鈴木重家伝説

また、源義経の主従であった鈴木重家に関する伝説もあります。彼は文治5年に平泉を脱した後、老齢であったためこの地の「近内」に住み、義経の命を受けて横山八幡宮の宮司として残ったと伝わる古文書も残されています。

境内の神社

横山八幡宮の境内には金比羅神社と稲荷神社が存在し、これらも江戸時代中期に地元の人々によって勧請されたものとされます。

交通アクセス

この神社へのアクセスは、JR東日本や三陸鉄道の宮古駅から徒歩約10分の距離にあるため、観光や参拝に訪れるには非常に便利です。

横山八幡宮は、地域に根ざした信仰の象徴であり、多くの歴史と伝説が息づく特別な場所です。

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