横山貞子

横山貞子

横山貞子（よこやま さだこ、1931年11月9日 - ）は、日本の著名な英文学者であり、京都精華大学の名誉教授です。彼女の専門は英文学であり、研究者として多くの業績を残す一方で、翻訳家としても幅広く活躍しました。

経歴

群馬県富岡市出身の横山貞子は、1954年に同志社女子大学英文科を卒業後、1956年に慶應義塾大学大学院英文科修士課程を修了しました。その後、1957年までイリノイ大学マスコミュニケーション学科に留学し、専門知識を深めました。帰国後の1958年にはキリスト教教育センター研究員となり、研究生活をスタートさせました。

1959年、京都精華大学人文学部の講師に就任し、1973年に助教授、1975年には教授へと昇進しました。2002年に定年退職し、名誉教授となりました。京都精華大学では長年にわたり教鞭をとり、多くの学生を育成しました。

結婚と家族

横山貞子は、1960年秋に哲学者・思想家の鶴見俊輔と結婚しました。鶴見俊輔は、同年5月30日に東京工業大学教授職を辞任しており、その後の二人の生活は、学術界でも注目を集めました。また、全学連の唐牛健太郎が資金難のため著名人にカンパを求めた際のエピソードも残っています。

横山貞子の親族には、著名な人物が多くいます。義祖父は政治家の後藤新平、義父も政治家の鶴見祐輔、義姉は社会学者の鶴見和子、義弟は法学者の内山尚三です。また、息子は歴史学者の鶴見太郎、甥は宇宙物理学者の横山順一（東京大学教授）であり、学術界に貢献する家族が多いことが特徴です。

著書と翻訳

横山貞子は、著書と翻訳書を通じて、幅広い読者に文学の魅力を伝えてきました。

単著

『日用品としての芸術 使う人の立場から』（晶文社、1979年）
『老い、時のかさなり』（晶文社、1989年）

訳書

リニー・デヴリエス『メキシコーわが大地』（研究社出版、1975年）
アイザック・ディネーセン「ディネーセン・コレクション」（晶文社）
1『アフリカの日々』（1981年、改訳版・河出書房新社「世界文学全集」2008年、河出文庫、2018年）
2『夢みる人びと 七つのゴシック物語1』（1981年、白水Uブックス、2013年）
3『ピサへの道 七つのゴシック物語2』（1982年、白水Uブックス、2013年）
4『復讐には天使の優しさを』（晶文社、1981年）
ジェイムズ・スティーヴンズ『小人たちの黄金』（晶文社、1983年）
オルダス・ハクスリー『ハクスリーの教育論』（人文書院、1986年）
ステファニー・デメトラコポウロス『からだの声に耳をすますと よみがえる女の知恵』（思想の科学社、1987年）
ジョアン・リンガード『ふたりの世界』全5巻（晶文社、1988-1989年）
『善人はなかなかいない フラナリー・オコナー作品集』（筑摩書房、1998年）
シェイマス・ディーン『闇の中で』（晶文社、1999年）
リチャード・ワトソン『ダイエットは人生の哲学!』（晶文社、2000年）
『フラナリー・オコナー全短篇』（上下）（筑摩書房、2003年、ちくま文庫、2009年）
『存在することの習慣 フラナリー・オコナー書簡集』サリー・フィッツジェラルド編（筑摩書房、2007年）
イサク・ディネセン『冬の物語』（新潮社、2015年）
クリストファー・イシャウッド『キャスリーンとフランク　父と母の話』（新潮社、2022年）

これらの著書や翻訳書は、文学研究者だけでなく、一般の読者にも広く読まれています。

参考文献

小谷野敦 著 『日本の有名一族 近代エスタブリッシュメントの系図集』 幻冬舎〈幻冬舎新書〉、2007年

もう一度検索